紅の竜の逆恨み
短いです。
久しぶりに掲示板を見てみると、どうやらオレ関連の話題になっていた。
どうやらあの時の事が漏洩したみたいだけど、2人しか居なくて片方はフレンドリスト登録済だ。
となると簡単に特定出来るのが何ともな。
あの赤ネ、やってくれたよな。
傍観のつもりだったけど、余りな物言いについスルー出来なくて……
オレもまだまだ青いな。
~☆~★~☆
【浮浪人は】不遇職について語るスレ12 【無敵職】
12 さすらいの浮浪人
とにかくさ、そういう訳だから、怒らせると実は怖いと。
13 さすらいの浮浪人
しっかしそんな裏があったとはな。
確かにNPCに相手をしてもらえないって事は、衛兵も含まれるわな。
てかさ、良識の無い奴だったらやりたい放題にならないか?
14 さすらいの浮浪人
しかも、本人には来ないで近くの奴のせいになるんだろ。
そんなの何でもありになっちまうぞ。
これは修正要求出すべき問題だろ。
15 さすらいの浮浪人
>14
だけどよ、武器も持てないし防具も着けられない職だぞ。
ただでさえ不遇と言われて誰も就かない職になっていたんだ。
それに就いて新たな問題が出たからと言って、いきなり規制は無いと思うんだがよ。
しかも、犯罪を起こしたのなら別だが、まだ起こしてないんだしよ。
16 さすらいの浮浪人
起こしてからじゃ遅いんだよ。
犯罪ってのは未然に防ぐもんだろ。
17 さすらいの浮浪人
>16
お前、βで試して転職したクチか?
自分に見つけられなかった裏技を、他人に使われるのが嫌なんだろ。
18 さすらいの浮浪人
あんなの裏技じゃあるかよ。
19 さすらいの酒屋
犯罪の予防なら良い方法があるぞ。
全ての職は街中では武器をインベントリから出せないようにするんだ。
そうすりゃ間違っても刃傷沙汰にはならないから安心と。
あんまし貶めんなよな。
人を犯罪予備軍みたいに言いやがって。
いい加減にしやがれよ。
20 さすらいの浮浪人
あれ、もしかして本人さん?
まあ、スルーも場合によりけりだけど、言わないと伝わらない事もあるよね。
21 さすらいの浮浪人
>19
絶対にやらないんだな。
もしやったら引退しろよ。
22 さすらいの酒屋
そこまで言われると逆にやりたくなるから不思議だよな。
23 さすらいの浮浪人
修正要求出してくる。
24 さすらいの酒屋
武器携帯の是非も出しておくぞ。
25 さすらいの浮浪人
武器は止めて。
犯罪に使わないから。
26 さすらいの酒屋
>25
すまない、つい、売り言葉だ。
つ特選ブランデー SS
27 さすらいの浮浪人
>26
え、何それ。
SSとかあんの?
もしあるなら画像載せて。
28 さすらいの酒屋
つ【画像】
29 さすらいの浮浪人
うおおお、マジだ。
すげぇぇ、そんなのが造れるのかよ。
そんな職人を犯罪予備軍呼ばわりか。
そりゃ怒るのも当然だな。
29 さすらいの酒屋
スレチ済まぬ。
Sランクワイン+幸運値⇒蒸留⇒稀⇒SSブランデー
Aランクワイン+幸運値⇒蒸留⇒極稀⇒SSブランデー
30 さすらいの浮浪人
>29
スレチだけどありがたいっす。
31 さすらいの浮浪人
成程、遊び人が賢者になったから妬んでいる魔術師の構図か。
32 さすらいの浮浪人
底辺かと思ったら意外に使える職だったって事か。
そりゃβテスターの面目丸潰れだな。
テスト出来てないって事だし。
~☆~★~☆
いかんいかん、つい熱くなっちまったな。
ああ言うのはスルー推奨なのによ。
それにしてもあれ以来、赤ネに会って無いんだけど、衛兵に連行されてからどうなったんだろう。
何かの罠だといけないので、クラリスにフレンドメールで聞いてみたところ、彼もあれ以来会ってないらしい。
それとどうやら酒の味が気に入ったらしく、無くなったらまた頼むと書かれていた。
村の国への従属の期日も迫るある日の事、襲われた話が伝わったのか、酒好きの例の彼と話す機会を得る。
「お久しぶりです、ゲイルさん」
「襲われたって聞いたが、問題無いのか? 」
「撃退しました」
「ほお、それは大したもんだが、相手は分かっているのか? 」
「どうやら偽名らしく、紅竜の申し子って変な名前でした」
「ああ、あの、単細胞の申し子か」
「有名なんですか? 」
「あいつ、すぐに頭に血が昇る奴でな、だから襲われたら壁役が挑発して、その隙に逃げるって手法が確立されていてな、なのに何度もその手に嵌まるから、すっかり単細胞の申し子って仇名で定着している奴だ」
「それで夜中に黒き森の中で大声でオレの名を呼んでたのか」
「それはまた酷いな。クレイジーモンキーの餌食だろうが、それで撃退出来たのなら幸いだったな」
おお、ありがたい勘違い。
戦えないと思ってくれていると助かるな。
いやな、浮浪人って空気みたいな存在だし、空気に毒性があるとか知られたら、余計な疑惑を生んじまう。
無害な底辺と思ってくれていればこそ、静かに趣味の生活を楽しめるってもんさ。
確かに掲示板では色々取り沙汰されたけど、すぐに特定されていたから恐らく特定したのは彼だろう。
そういや、あれ以来、まだ酒の無心に来ないけど、まだ飲み切ってないんだな。
それはともかく、最近の酒の状況を聞かれたので、何とか造れていますと答えたんだけど、掲示板の情報の真実が知りたいと言われる。
さすがは酒好きの彼。
浮浪人の実態なんかより酒の話題のほうに目がいっていたらしい。
それならそれと、手持ちの酒を手渡す。
「ほお、これがあの」
「まだ数本だけの品です」
「どうだろうか、これを1本譲ってはくれないだろうか」
「出所はどうしてもバレますよね」
「いや、これをな、王様への貢物とするんだ」
「え、そんなクエストでも? 」
「今な、納品クエストで貢献度ってのを上げているんだが、あと少しってところで貢献度が上がらなくなっていてな、こいつで上がるなら到達出来そうなんだ。そして到達すれば国のお抱えみたいな立ち位置になれてな、更なる攻略が可能になりそうでな」
「何かと交換に出来たら良いんですけど」
「そうだなぁ、その何かってのが問題だな。ここまでの酒となれば、なまじな物では釣り合わまい」
「考えておいてください」
「そうか、それで良いなら助かるぞ」
そうして特選ブランデーを彼に渡し、そのうち何かくれる事になった。
夏も終わりですね。