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いつか来る日  作者: 鈴木太一
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「金田、屋上で昼飯食おうぜ。」


「いいよ〜」

平日の昼休みはほぼ毎日これと似たような会話を僕の席から聞くことが出来る。

勿論聞きたくて聞いているわけではない。

ただ耳に入ってくるだけなのだ。


「はあ〜。いいな〜、成瀬。」

後ろの席から河野が独り言のように呟く。

どうやらまだ未練があるらしい。


「柏木君、CDありがとう!janne da arcハマっちゃった!」


「あ、うん。結構曲の幅広くていいよね。」

僕は彼女の問いに答える。

彼女は石川さんという。去年から同じクラスだったがこうしてCDを貸すような仲になったのは今年になってからだ。


石川さんも可愛いと評判だ。

顔の系統は大人びた感じだが、性格は明るくてよく喋る。

そのギャップがたまらないらしい。

去年野球部の増田が告白したが好きな人がいるからと振られたのは学年では有名な話だ。


「またお勧めあったら貸してね!」


「うん。」

石川さんが教室の外に出た後、河野が問い詰めてくる。


「お前石川とそんな関係なのかよ!」


「そんな関係ってなんだよ。ただCDを貸しただけだろ。」

少し皮肉を込めて答える。

正直河野は顔つきは整っているし身長も高いので、それなりにモテる。

しかし五月蝿すぎる性格と自信の理想の高さから彼女が出来たことはないのだ。


「石川にアプローチかけちゃおっかな〜。」

ヘラヘラしながら河野が僕を挑発するように呟く。


「どうぞ。どうぞ。」

僕はいなすように答える。


もうすぐ昼休みが終わる。



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