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究極生物コタツ  作者: 吉川明人
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黒幕が出てきよった!!…③


「それよりも、それほど自分の価値観に大見栄を切れるのであれば、決して自分が正しいことをしていると考えているわけではないようだな」

「もちろん正しいことをしているとは思っていないが、間違っているとは思っていないぞ」

「言うてる意味分からへんわ。正しないんやったら間違ってるんやん」

「子どもには理解できないだろう。需要があれば必ず供給が成り立つのだ。

 そしてそれを完全に止めさせようとすればするほどますます需要の熱が高くなる。ましてや自分以外の者が誰も持っていない稀少動物ともなれば、価格は天井知らずだ。

 それは人類の欲求、夢を満たしてやっていることと同じ。

 こうやって私のように検疫の目をかいくぐらせる者がいるからこそ、それが可能となる。いわば私は夢を売っているのだよ」

「だからおまえたちは幼稚だ。自分たちのためだけの、目先の利益に目が奪われやっていいことと悪いことの判断ができない。

 オレに言わせれば誠恵のほうがよほど大人だ。姿形がどうあろうとも、オレに対してちゃんと礼儀をもって接したぞ」

「ふん、たかがUUeで捕えられたネコモドキが偉そうなことを言うな。さっさと檻に戻るがいい」

 そんなこと言いながら、オッサンが机にあるスイッチ押したら天井から可動式のアームが伸びてくる。

「うわあ! お約束のやっちゃな。そんなネタ使い古されとるで」

「ネ、ネタではない!」

「安心しろ。こんなものでは捕まらない」

 近づいてきたアームをコタツが軽う爪で引っかいたら簡単に折れて壊れた。

「バ、バカな……大気圏往復用の宇宙船の船体に使われるKP3合金だぞ」

「ホラ、なんやよう分からへん硬そうな金属が折られること自体お約束なんや。そんなんあたしらニシニホンのもんにはウケへんで」

「やかましい! ウケ狙いじゃない! こうなったら……」

「なんや、秘密にしとった強力なロボットでも出てくるんか?」

「ど、どうしてそのことを」

「オッサンひねりないなあ」

「誠恵はあいつの行動が読めるのか?」

「ちゃうねん、ちゃうねん。地球のベタなネタや。お約束言うて展開が決まってんねん」

「文化のひとつというわけか」

「さあ? 文化ていうか……」

「そこ、無視するな! さあ出動せよ! 究極の無敵ロボット。アラキデ6号!」


「誠恵、気をつけろ。かなりの量のエネルギーが一点に集中している。それなりの破壊力を持っているだろう」

「そうなん? あのオッサンから考えられへんけど」

「……いやしかし、このエネルギー処理パターンは覚えがある。衛星軌道からオレを撃った電磁ビームと同じもののようだ。

 おい、おまえはUUe-6447に向かう宇宙船に電磁ビームを装備したことはないか?」

「んん? UUe-6447かどうかは知らないが、ハンターの注文で横流ししたことはあるぞ。

 ふふん、ということは君がその獲物かね。これから現れるロボットは電磁ビームごときで捕まるようなマヌケには到底たちうちできないぞ」

「コタツがマヌケやて?!」

「いいから下がっていろ誠恵」

 コタツが言うたとたんに左の壁が上がって、中からさや付きピーナツ立てたようなんが出てきた。

 せやけど……放射状についてる8本足が気持ちわるう。


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