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究極生物コタツ  作者: 吉川明人
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黒幕が出てきよった!!…②


 かかっとったドアのカギは、コタツがあっさり開けた。中には髪の毛まっ白のオッサンがおって、ドア開いたんびっくりしとる。

「誠恵、降ろすので足元に気をつけろ」

 あたしくるんでるコタツが元どおりの姿に戻ったら、オッサン余計にびっくりしとる。

「な、いったいどうやってここへ来たのだ」

「えーっと、なんやったっけ? 光で見えんようにとかやったっけ」

「答える必要はない。しかし、その反応から確信した。

 お前が検疫を素通りさせている張本人であり、誠恵を落とし入れようとしている黒幕だな?」

「なんのことか分からんな。私はケダモノと会話するつもりはないぞ」

「コタツはケダモノやないで! ファリアロの究極生物なんや」

「そのケダモノで大金を得ているおまえは、ケダモノ以下というわけだ」

「ケダモノが人間に意見するな。地球人こそ宇宙で最高の生物なのだ。

 その我々が未開の惑星に棲む珍しい生物をどうしようと勝手だ。むしろ我々の手で保護してやらなければならないのだ。

 そして中には珍奇な生物を欲しがる富裕層がいる。その者たちに変わって生物を手に入れてやっているのだ。多少高い値を付けるのが当然だ」

「オッサンなに勝手なこと言うてんねん。

 オッサンがどっかの星の生きもんにさらわれて飼われてもええんか?」

「ふん、あり得ん。あり得ないだろう。地球人はこれから銀河系を、宇宙を支配していくのだからな」

「なに言うてんねん。コタツ言うとったで、地球なん、まだ未開の星やから銀河連合いうとこに入いらしてもらわれへんねんで」

「なにを言い出すかと思えば、ガキのたわごとか。銀河連合?

 今どきそんなバカげた話を信じるやつがいるか。

 おっと、お前がそうか。バカなガキめ!」

「なんやてえ!」

「待て、気にするな誠恵。

 このタイプは分かりやすい。多くの未開の星で見られるエイボンヌ的な性格のものだ」

「へ? エイボンヌ?」

「適切な言葉が見つからない。表向きには良識があるように見せ、裏ではこのような行動が平気でできるものを意味する」

「ギゼンシャて言うんちゃうん?」

「偽善者なら表向きに良いことをする。

 しかしこのタイプは特になにもしない。ただ良識があるように見せるだけだ」

「ようは悪モンいうことや」

「ふん……ともかくお前が稲里誠恵ということだな。わざわざ自分からここへ来るとは、探す手間が省けた。部下どもにはすぐ戻ってくるよう命令しよう」

「残念だがそれはできない。たった今、このブロックはオレが封鎖した」

「なんだと」

「この部屋に到着したと同時にすべてのドアの暗証番号が変わるように細工しておいた。

 初めから解読したとしてもかなりの時間がかかる。おまえを警察に突き出すには充分な時間だ。ただその前に確認しておきたい。

 おまえはなぜ自然界の法則に逆らってまで自分たちの内でしか通用しない金という価値観に捕らわれる?

 大局を見すえればそれがいかに無意味なことか理解できるはずだ」

「我々の内であってもそれが通用するのなら問題ない。この世はどれだけ金を待っているかで社会的地位が決まるのだ。

 例えどれほどのクズであっても、金さえ持っていれば尊敬される」

「それやったらお金持ってへんもんは、あかんみたいやん。あたしのおじいちゃんいつもお金より心が大切や言うてるで」

「金を持っていないやつに限ってそんなことを言うんだ。自分が持たない負け惜しみでな」

「おじいちゃん負け惜しみやないで。そら、大金持ちやないけど広いうちすんでるし」

「中途半端なやつが一番たちが悪いんだ」

「止めておけ誠恵。このタイプになにを言ってもムダだ。自己防衛の理屈を並べることにかけて才能を持っていることが多い」

「言い訳だけは上手い言うこっちゃな。あたし言い訳した時、おじいちゃん言うてたわ。

 そんなん言うてたらろくな大人ならへんって。ほんま、言うてたとおりやな」

「やかましい!」


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