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究極生物コタツ  作者: 吉川明人
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黒幕が出てきよった!!…①


 コタツといっしょに来たんは、宇宙港の中でも立ち入り禁止中の立ち入り禁止の場所……ブロック5に区分けされてるところや。

 もちろん監視カメラあるし、警備員いてるし、身分カードとか暗証番号必要なとことかあった。

 しかもあたしは密猟のオッサンらから追っかけられてるんやけど、来れたんは、倉庫出発する時、コタツがおもろいことしたからや……。


「このままで行けば、どんなに隠れようとも監視カメラですぐに見つかり捕まるだろう」

「どないしたらええの?」

「オレが誠恵の姿を見えなくする」

「そんなんできるん? スゴイなあ」

「しばらくのあいだは毛布にくるまれていると考え、体の力を抜き楽にしておいてくれ」

 言いながら背中向けたコタツの体がブワッ! て広がって、あたしの体包んだ。

 一瞬まっ暗になったけど、ちょっとして目のとこだけ外の様子見えるようになった。

 首動かして足元見ても……なんもあらへん。せやけど、ほんまフワフワのんに包まれてる感じや。

「どないなってんのこれ?」

「オレの体を薄く伸ばし、外側を光らせている」

「光らせてる?」

「人間の目に見えない範囲の光で一時的な目くらましをしていると考えてくれ。

 赤外線探知機のこと考えれば紫外線で光りたいところだが、誠恵に有害なため赤外線で光っている。

 いざという時はできるだけ影響のないように紫外線に切り替える」

「ゆうことは、コタツがほんもんのコタツになってスゴイ温うなってるいうことやねんな」

「そうかもしれないが、潜入する少しあいだ、体の力を抜いてリラックスしておいてくれ。不自然な動きは発見されやすい」

「あ、そうなんやゴメン」

「行くぞ」


 自分で動かしてへんのに手足が動く変な感じや。

 せやけど、ほんまに見えてへんねんな……誰とすれ違うても見られへん。

 堂々と警備員の前通っても平気や。

 身分カード必要やったり暗証番号必要なんは、なんでか分からへんけどドア開くし、番号合う。

「究極生物ってなんでもアリやな」

「目星を付けた段階で目的地のルート上にあるドアの身分カードを偽造し、暗証番号を引き出した。他のルートではこうはいかない」

「アヤシイ場所ってどこなん?」

「施設内で最も厳重に警戒されているブロック5と呼ばれる区画。政府関係、特に軍関係の資材を保管してある場所だ。

 ここへの搬入搬出は他とは完全に切り離してある。ただし、検疫港もすぐ隣にある」

「むっちゃアヤシイやん」

「外宇宙からの未知のウイルスの検出など、検疫の結果によっては軍を動かさなければならない事態もある。宇宙時代には検疫港・軍関係・緊急医療設備は協力態勢をとるのが普通だ。

 ただし、今回のような悪影響が出る場合もある。

 オレはこの態勢をあやしいとにらんだのではなく、それぞれのトップの経歴を確認し、1つにしぼり荷物の流れを調べた。確信はある」

「そんなん出発する前に教えてくれたらよかったのに。なんかもう安心してきたわ」

「だから話さなかった。事態が切迫していることに変りはない。

 わずかな油断が根底を揺るがすことがある。実際に相手と会ったものの違っていた場合、こちらの手の内を知られた上で最初からやりなおしとなる」

「脅かさんといてえな」

「脅しではなく事実だ」

「そやからコワイこと言うんやめて〜〜〜」

 ……そんなん言いながら、結局誰にも見つからんと密猟のオッサンのいるとこに着いた。


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