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究極生物コタツ  作者: 吉川明人
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えらいこっちゃ!…①


 連れてこられたんは、あの愛想ない宇宙船があった搭乗口横の小さい部屋やった。

「ここでプログラムを作り、送りこむ」

 そんなんいうて、なんも警戒せんと入っていくけど、誰かおらへんの? 大丈夫なん?

「警戒しているのか? 大丈夫だ」

「なんで分かんの? コタツって心まで読めるん?」

「それだけオドオドしていれば分かる。

 オレの嗅覚と聴覚はおまえたちよりはるかに優れている。誰かいるかは見なくとも分かる」

「そうなんやあ」

「ではプログラムを作る。

 誠恵、オレの言うとおり打ち込んでくれ」

「まかせといて」

 コタツの言うとおり、行く星とそこで解放する生きもん閉じ込められた檻の順番プログラムしていく。

 コンピュータはジュニアスクールから必須の科目やから、打ち込むだけなんはそんな難しいことやあらへん。

「……次に惑星PRab-22(Place of Residence 居住型 安全レベルAB-No.22)のコロニー47へ立ち寄ってくれ」

「コロニーから連れてこられた生きもんもいるん?」

「いや、そこは宇宙動物愛護団体『SAP』が所有するコロニーだ。宇宙船の燃料を補給しなければならない」

「そっか、ずっと飛ぶわけいかへんからなあ。せやけど補給してくれるんやろか?」

「連絡を取って頼んでみるが、これまでの活動から考えて信用できると見ている」

「コタツはなんでも知ってるんやなあ」

「情報収集の際、集中して探しておいた」

 ……こうしてプログラムみんな打ち込めた。

「よし、実行キーだ。それでプログラムが起動する」

「ほんなら実行や!」

 ポチッと押したけど……宇宙船飛んで行かへん。

 なんでや? 間違うたんやろか?


「オレが横から見ていた。プログラムは間違えていない。

 ただ別の場所から発進が止められているようだ」

「ほんならもう、密猟のオッサンとかに見つかってもうたん?」

「いや、基本的なことを見落としていた。管制塔から発進許可が下りなければ動けない」

「あ、そうか! どうしよう……」

「仕方ない、オレが直接コンピュータとつながり、誤作動させて無理やり発進させる」

「そんなん事故になったら大変や!

 アカンアカン!! アカンでぇ」

「事故は起こさない。そしてあの宇宙船の持ち主は責任を追及され、刑事問題にまで発展する可能性がある。

 うまくいけばハンターの存在が明るみに出て世論に一石を投じることもできる」

「……なんやよう分からへんけど、密猟のオッサンらが困るわけやな。

 せやけどほんまに事故せえへん?」

「拉致された見知らぬ種族であろうと生命は尊重する。当然だろう。

 一時的な混乱は起きるだろうが、ことは急を要する」

「直接つながるって、どうすんの?」

「見ていろ」

 コタツはコンピュータの裏に手え突っ込んでなんかやってる。

「……着陸待ちが14機に発進待ちが9機か………………よし、発進しろ!」

 しばらく待ってたコタツが自分で実行キー押したとたん、宇宙船が一気に空に昇っていった……よう分からへんけど、成功やな。

 せやけどえらい数のサイレンの音聞こえてきた。えらい騒ぎになってしもたみたいや。

「そこにいるのは誰だ! なにをした!!」

 ドア開いて顔だしたのは人相の悪いオッサンやった。


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