帰ってまうけどさみしない!!…④
コタツと一緒にうちの超高層マンションの、鍵かかってて入れへん屋上に出た。
ホンマは出たらあかんし、見つかったらメチャメチャ怒られるんやけど、コタツが一緒の時、ナイショで登ってる。
もちろん鍵はコタツがわからんように開けてくれるんや。
屋上のはじっこに腰かけて空見上げたら、ものスゴたくさんの星がまたたいとった。
「うわあ、宇宙に出んでも星ってキレイやってんなあ」
「最近は特にな……地球の大気気環境も銀河連合基準のレベルになってきとるからな。
もうCO2の心配することもないやろ」
「それもスーパーエアクリーン技術やったっけ?
太陽系の外で待ってた本体の人らが来て、ちょこっと試しにやってくれたからやん」
「ちょっと手助けしただけや。地球はまだまだ生き返る。ほんで発展する星や。
こんなんただの通過点にすぎへんのや」
「それもこれもコタツらのおかげやんか」
「銀河連合の技術は、確かに地球より進んどるけど、めっちゃたくさんの文明の集合技術や。
個々で見つかったもんやない。
生きモンはたった一つの種族で生きとるわけやないんや。ニッチいうてな、その種族が生きるためにはなんらかの共存関係持っとる。
ほかのもんの助けがないと、だれも生きられへんのや。
銀河連合なん、その弱さの代名詞みたいなもんやけど、同時に心強さの象徴でもあるんや」
「ゴメン、あたしよう分からへん」
「……生きもんは1人では生きられへん、いう簡単な話や」
「そらそうやん。あたしかて、コタツいいへんかったら生きてへんで」
「あたりまえや。そやけど、そう思わんもんもまだ多い、いうこっちゃな」
「なんでやろな……」
「考えんな。1人で生きんのはホンマものスゴしんどいんや。
しんど過ぎて1人で生きてるて思うほうが楽なんや」
「わけ分からへん。
……なあ、ファリアロってどっちにあるん?」
「左に日本民俗美術ビルと、カンナバラ=イヌサワ記念館の2つならんどるやろ。
あの左端のやつから10センチくらい上や」
「なんも見えへんで」
「そら望遠鏡でも見えへんやろな。肉眼で見える距離やない」
「……そんなとこまで帰ってまうんや」
「元々そこにおったんや」
「そうやなあ……」
「ふぅ〜〜〜誠恵、ちょっとええか?」
「……なに? コタツ……」
なんやコタツが神妙な顔しとる。