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究極生物コタツ  作者: 吉川明人
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帰ってまうけどさみしない!!…③


「かぁーーーっ!! ワイがなんもせん時は、活動を制限せなならんことする場合やろうが!」

「そ、それではコタツ兄は?」


「おお。周囲の環境に適応するだけやのうて、周囲の文明の成り立ちまで読み取る、文化適応を進めとったんや。

 もうワイは誠恵に頼らんかて、地球人の固定観念や思想、基本的判断まで予測できるようになっとる」

「それほどまでに? ならば……」


「おお。それほど変わっとるし、可能性がある。

 つまり、今の銀河連合のカタ苦しい組織改革できるいうこっちゃ」

「連合成立から4700年あまり。

 コタツ兄がメインリーダーとなられてから半世紀、ようやく新しい道が見えてきたという訳ですね」


「完全やないけど、その可能性があるいうこっっちゃな。

 まさか、こんな辺境の星でそのきっかけ見つけられるやなんて思わへんかったけどな」

「それこそ、一期一会の縁でしょう」


「なんや? マルも地球の言葉覚えたんか?」

「地球のものではありません。ニーミヘリリのことわざを訳したものです」

「テレんでええ、マル」


「……し、しかし、ならばこそコタツ兄は一度ファリアロへ戻らなければなりませんね」

「しゃあない。そうなるな」



「コタツ〜、マル〜。

 あたしおフロ上がったけど、まだ部屋入らんとこか?」


「おっと。戻ってきよった。

 マル。この話はまだ誠恵にすんな」

「承知しています。ですが、コタツ兄こそ誠恵殿に早々に別れを告げてください」

「……分かっとる。

 おっしゃ。誠恵ここに入れたったらさっそくその話すんぞ。

 お前は余計なことしゃべりなや?」

「もちろんですコタツ代表」


「ええぞ誠恵。遠慮せんと入って来い!」



 熱っつう思いながら、あたしが自分の部屋に入ると、コタツがニヤッと笑ってあたし見た。



「いったん帰れいうのは、よお分かった。せやけど、すぐに返事はせえへん。

 そうか言うて、いつまでも伸ばすわけいかへんやろから、早い目にせんといかん。

 今度抜けだせんのいつや?」


 なんや白々しいけど、コタツがマルに聞いとる。


「2日後です」


「早いな。まあええ、分かった。

 聞いた通りや誠恵。ワイはあさっていったんファリアロに戻ってヤボ用片づけてくる。

 帰えんのは、ちょっと時間かかるけどな」


 さみしなるけど、また帰ってくるんやし、ええか。


「では、明後日に」

「おお。荷物まとめとくわ」



 マルが帰ったあと、コタツ窓から外ながめて黙っとる。

 なんやろ? ちょっと帰るだけの話やないんか?


「……誠恵」

「な、なに?」


「ちょお、屋上行こか」

「……うん」


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