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究極生物コタツ  作者: 吉川明人
35/42

なんか出てきよった!!…⑧

「直接攻撃言うても、エルで歯あ立たへんもんどないすんの?

 それより、あたしら逃げてもうたらコタツどうするん」

「大丈夫や誠恵、分かっとるやろ。ワイら以外のエルに乗っとるもん人質にしたつもりやろが、ナーヤリッツアとヘイバ紛争も含めてケリつけたる。

 生まれてから戦闘モードに入んの2回目や。1回目は誠恵が近くおったから手加減したけど、今度は遠慮せえへんで」


「ほんならタコツボはどうするん?」

「タコツボ? なんやそれ?」


「あの黒い玉。タコツボみたいやったから」

「ナマコにヒトデにタコツボかい。

 なんで海の香りするもんばっかりやねん」


「そんなん言うたかて……」

 30分過ぎてなんも返事せえへんかったら、コン太君から連絡してきた。


 コタツだけ渡すようにて、脅しとかおいしい話とか散々言うてたけど、あたしらは、ええねん、どないしても殺されるんやったらいっしょのほうがええねんて言うて断った。

 ……おいしい話のとこでちょっと知事アヤシかったけど。


 もうアカン思たコン太君の映像消えてからしばらくして、なんや温うなってきた。



「空間チェック!」

「閉鎖空間解除! 通常空間シールドに戻っています!!」

 艦長の叫び声にすぐ返事返る。


「おっしゃ!! 艦長、外出してくれ!!」

 同時にコタツ消えて、エルの外におった……またあの苦しいのんせなあかんねやろか思たけど、今度はぜんぜん苦しまんとすぐナマコヒトデに向かってスゴイ勢いで飛んでく。


「なあ、あれどやって飛んで……」


「グズグズするな! この空域から緊急退避!!」

 マルに聞くより先に艦長にさえぎられてもうた。



 ものスゴう逃げてるのに、コタツの姿はずっとおんなじ距離で窓に映ってる。

 姿見れるんは安心ゆうたら安心やけど。

 せやけど……なんでなん?


 コタツ、ミサイルとかなんか分からへんのんとか攻撃されまくってんのにぜんぜん反撃せえへん。

 逃げまわってるゆうより、自分から当りに行ってるみたいなんもある。


「マル! なんで? なんでコタツ反撃せえへんの?」

「監視下を逃げ出してきたにしろ、相手は元連合加盟星の人間だ。

 攻撃しからといって反撃し、壊滅させるわけにはいかない」


「そんなん! 相手めちゃめちゃ殺す気でおるやん!」

「誠恵殿は地球での戦い方しか知らない。ファリアロでは、あれも戦い方の一つだ」


「あれが戦い方……?」

 攻撃されるたんびにボロボロになって、そのたんびに体再生して生き返ってる。


 なんで?

 なんでそんなんが戦い方なん?

 分からへん……。


「ニミツェリオリナン操作再開確認! コタツ殿を援護!!」

「待て! その必要はない。むしろ援護される方がジャマだ」


 せっかく艦長が言うたの、マルがあわてて止めた。

 なんでぇ? もう、わけ分からへん!!!

 うわ! そんなん言うてるあいだにコタツに電磁ビームが直撃した!


「アカン!! コタツ!!」

 コタツはファリアロであれで気絶したんや。気絶してしもたらやられてまう!


「心配すんな誠恵。いっぺん経験した環境には適応する言うたやろ。

 ワイはいっぺん電磁ビームの直撃受けとるんや、もう適応しとる!!」

 こんな離れてんのに聞こえてきたコタツの声は、ぜんぜん弱ってへんかった。


「なに? コタツどういうことなん?」

「決まっとるやろ。さっき受けたミサイルも原爆、水爆、中性子爆弾もあった。ほかの攻撃も全部受けたった。

 さっきまでツェプロドゥーファの表面に貼りついとったからある程度慣れとる。今度やられたら完璧に適応したる。


 聞こえとるやろコンタ!

 もうレーザーもビームもヴィリバルデもスクリテもルニヤモもアクツアもトロバもグラカザラもアガムもワイには効かへん!

 ええか! おまえが攻撃すればするほどワイ強よなるねんぞ!!

 おまえが攻撃のネタ尽きたらもう、ワイ止める方法なくなる言うこっちゃ!!!」


 コタツの爪がグワッて伸びて、タコツボ3つ同時に切り裂いたらむっちゃおっきい爆発して、ヘイバの宇宙船が巻き込まれた。


「まだやるか!」

 爆発の光の中で絶対にコタツやない大きさの、ものスゴおそろし生きもんがいて、ヘイバの宇宙船、手で捕まえとった。


 ヘイバからの攻撃も止まった。


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