なんかでてきよった!!…⑦
「次? そうやなあ、せっかく探しとった正義の味方追いつめたんや。
勝利確信して大笑いすんのはすんだから、苦しませるために、ひと思いにやらんとジワジワやっつけようてする。
正義の味方はそのすきに、今までなかった新兵器とか新しい作戦思いついて間一髪で逆転勝利するんや」
「マル、艦長。そういうこっちゃ、なんか思いつかんか?」
「コタツ兄、誠恵を疑うわけではないが、そんな話をすぐに信じて作戦を立ててもいいのですか?」
「今ひと思いに攻められれば、助からないのだな」
「誠恵がお約束や言うとんねん、心配すな。
おんなじ考え方するもんはおんなじ行動とる。
誠恵は今のヘイバのやつらの行動が理解できる文化の中で育ってきたんやぞ」
「は! そうか!!」
「それなら納得だな。すばらしい!」
なんや誉められてるんかどうか分からへん。
「ほしたらや、ジワジワやる言うてもいろいろあるやろ。どんな手え使う思う?」
「それなら分かりきっている」
黙っとったレグネイド知事が、みょうに自信もって言い出した。
「なんや、分かりきってるて?」
「自分たちが安全なまま、ファリアロ代表だけを確実に連れて行くには、エルを中心にチプロ…を発生させればいい。
おとなしく引き渡した時と同じ絶望感を与えられる」
「さすがいつもその立場におるんもんや。よう分かってんな」
「……こんな時だ、まあいい。その意味でも私も引き渡すのは反対だ。
なによりこんなテロ行為には決して屈してはならない!」
完全に政治家口調になっとるけど、ええこと言うやん。たぶん。
「うむ。意見はまとまったようだ。ならばどう切り抜ける?」
ザカリさんにどうて言われてもなんも思いつかへん……って考えとるうちに時間過ぎてく。
「なんとか切られとる空間つながってくれたら直接攻撃できんのにな」
「空間を利用するという原理は分からないのだが、チプロをもう一度使用するなら、切り取った空間をつなげなければ彼らも物理的に攻撃できないのではないかね?」
「そこっ! レグネイド君ええこと言うた70ポイントゲットや。
ええか、これは知事の考えが正しいいうこと前提にした作戦や。あいつらがツェプロドゥーファ仕掛けてくるまでじっと待っとく。
ほんで始まったらワイがもいっぺん外出て直接攻撃仕かけたる。
マル、その間にエル全速で逃がすんや」
「……く、“君”」
知事がなんか言いたそうやったけど、コタツは完全無視した。