表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
究極生物コタツ  作者: 吉川明人
24/42

またかいな!!…④


「な、なんなん?」

「誠恵にはホンマ感謝しとる。そやからムダにするつもりないで。

 誠恵のんはもちろんやし、ワイのんもや」

「なんの……話してんの?」

 ものスゴ不安なってきた。


「マル! お前も絶対にムダにせん言うんやったらついて来い!

 艦長、出してくれ!! 時間もったいない」

「……く、承知したのだな」


 わけわからへんまま、コタツとマルが消えた思たら……窓の外におった。


「え? アカン! 苦しんでるやん、艦長お!! 2人めっちゃ苦しんでるやん!!! はよ中入れたげな!!!」


「……いや、これでいいのだ」

「なんでなん!?」

「間もなく分かるのだな」


 間もなく? 窓に張りついて見とったら2人ともグタッとなった……って思たとたん、バリッ! て脱皮して、めちゃめちゃ元気なコタツとマルが出てきた。


「おっしゃ、宇宙空間に適応したで。これで大丈夫や」


 そうか、どんな環境でも適応できる言うてたんや。

 せやけど宇宙空間なん、適応できるん?

 実際にしとるからええんかもしれへんけど……。


「誠恵、艦長、聞こえるか?」

 音伝わらへんはずの宇宙からコタツの声聞こえてきた。


「聞こえている。そちらは?」

「聞こえてるけど、なんで聞こえんの?」

「今は気にすんな。聞こえとったらそれでええ」


 コタツがマルをチラッと見たら、マルもうなずいとる。

 なにやるんやろ……うわっ!

 長いシッポで自分の背中ワシャワシャこすっとる! なんや分からへんけど、めっちゃカワイイ!


「艦長、そろそろそっから離れとけ」

「了解だな!」

「あれ、離れんの!? コタツら見えへんようになるやん」

「大丈夫だな。拡大映像を送るのだな」


 窓の景色が、小さなったコタツとマルがすぐそこにいるみたいに大きになった。

 2人が背中こすってるうちに、なんやパチパチ火花みたいなん出てきた。


 静電気?

 宇宙空間で静電気できたんやろか?

 あれ? でけへんかったかな? 分からへんけど、チプロもパチパチいわしとるし、でけへんことないんやろ。

 全身にパチパチが広がったところで、コタツとマル、おたがいに目配せしてチプロに向かって飛んでいく。


「なあ艦長、コタツとマル、なにしよとしてるん?」

「……現在、空間チューブ以外でたった一つだけ残されたツェプロドゥーファに対抗する方法だな。

 自分自身を帯電させてツェプロドゥーファを引き寄せ誘導する作戦なのだな」


「そんなん……それってめちゃめちゃ危険やん。チプロに捕まってもたらどうするん!?」

「もちろん危険だな。究極生物とはいえ、素粒子レベルで消滅すれば生き返ることはない。

 コタツ殿とマル殿の父は、ナーヤリッツア星系で発生した巨大ツェプロドゥーファを誘導しようとして消滅されたのだな。

 目の前でそれを見ていながらなにもできなかったコタツ殿は、以来ずっとツェプロドゥーファの研究を続けていたのだ」


「そんなん!! 死ぬかもやのうて、死んでしまうやん!!!

 ていうか、艦長! そのナーヤなんとかでコタツらのお父さん死んだん分かってて、名前出したんか!! そんなん言うたらコタツ、なにがなんでもチプロ止めよてしてくれるやんか!!」

「なぜなのだ? 過去の経験を現状に生かすことが、危機を生き延びるために重要なことではないか?」


「艦長責めんな誠恵。感情をいっさい抜きにして、現状で最適な判断ができるキラスリゴ出身なんや。

 銀河最高レベルの艦隊指揮官なんやぞ」

「そ、そやけどコタツが……」

「今考えなあかんのは、ツェプロドゥーファを太陽系の外に出すことと、わいらが無事に帰ることやろ!」

「そうや。そのとおりやった。ゴメン」

「そうなのだ。コタツ殿とマル殿の行動はムダにしてはいけないのだな」


 ……艦長の言葉は、ちょっとくるもんあったけど、コタツが言うとった“ムダにせん”言うのは、行動だけやない。


 コタツ自身とマル、ほんであたしの命のことやんか……。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ