表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
究極生物コタツ  作者: 吉川明人
23/42

またかいな!!…③


 ……各所チェック! ニミツェリオリナン操作再開確認! 前ファリアロリーダー早く退避するのだな」


「こうなっとるから、あきらめたらあかんのやろ! めんどくさい。コタツて呼べ!」


 目え開けてんのに目の前まっ白でチカチカしてなんも見えへんけど、艦長とコタツのもめとる声、聞こえてくる。


「ど、どないなったん?」

 見えへんけど、とにかく誰かに聞いてみた。


「気いついたか誠恵。地球人やったらあの光見て見えるようになんはもうちょっとかかる。目えつぶってじっとしとれ」


「うん……そうする。せやけど、さっきチプロが分裂したとか叫べへんかった? 地球大丈夫なん?」

「安心せえ。急速に膨張始めよったから、てっきり分裂や思たけど、膨張しよっただけで分裂はしとらへん」


「よ、良かった……ほんま、良かった」

 手探りで壁のとこまで行って、膝におでこつけてじーっと目えつぶって座ってても、「本隊の補給部隊にまで」とか「技術的に確立されてへん」とかのコタツと艦長がもめとる話聞こえてくる。


 だんだんチカチカすんの治ってきて、ちょっとは見えるようになってきた。まわり見渡したらレグネイド知事もおんなじカッコで座っとる。

 そやけどこの部屋こんな明るかったやろか? だんだんはっきり見えるようになってきて、もめとる理由分かってきた。


 分裂やなかった。それは間違いない。そやけど、どうなってんねん?


 チプロ、さっきの倍以上にでかなっとるやん!


「今のツェプロドゥーファのサイズの空間チューブなん作ったことないんは分かっとる!

 せやけどあんなでかいからこそ放り出さなあかんやろ」

「あんなサイズだからこそ、失敗すれば被害は太陽系だけではおさまらないのだな。

 特使本隊を巻き込んだ爆発を起こすことは間違いないのだ。今からニミツェリオリナンのエネルギーを補給させるため部隊を差し向けては、巻き添えとなる可能性があるのだな。

 確かに人道支援だが、本来ツェプロドゥーファ回避の作業はツェプロドゥーファ専門の処理隊以外はあくまで本人の意思で参加することが条件だな。

 残念ながら今回、処理隊は連れてきていないし、現状で参加希望者はないのだな」


「特使本隊はマズうて太陽系はええんか?」

「それは問題からズレているのだ。

 恒星系という閉じられた場所から放たれたツェプロドゥーファはやがて消滅するが、恒星系内部で爆発したツェプロドゥーファは閉じられた恒星系内部だけ破壊することをコタツ殿もご存知なのだな。

 しかしそれは先ほどまでの標準的なサイズに限ってのことであって、ナーヤリッツアの事件はお忘れではないのだな」

「! そら忘れとらん。そやからこそ、今度はなんとかせなあかんのや!!」

「気持ちは分かるのだが」


「ほんなら艦長、ワイ、エルの外に出せ」

「まさか、それは……断るのだな!」

「方法ない言うんやったらこれしかないやろ」

「コタツ! 宇宙出てなにするつもりや?」

「コタツ兄がそのつもりなら私も行きましょう。2人のほうが危険が半分に減ります」

「やめとけ。お前は現ファリアロリーダーや、なんかあったらどうすんねん」

「前ファリアロリーダーの兄にはなにかあったじゃないですか」

「お前がおんなじこと繰り返してどうすんねん」

「しかし……」


「せやからコタツなにするんや? 危ないことするんちゃうやろな?」

「誠恵……」


 振り返ったコタツがあたしじーっと見た。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ