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究極生物コタツ  作者: 吉川明人
21/42

またかいな!!…①

 あたしらが運ばれた部屋から外見れる窓のはじっこに、声だけやった艦長さんの姿映った。

 そういうたら昔、サルの惑星いう映画あったな……。


「このままツェプロドゥーファが進めば木星と接触しますな。木星が消滅すれば太陽系にどれだけ影響するか予測できるでしょう。

 地球連合に知らせたほうがいいですな」


「ああそうだな。どうすれば連絡が取れるんだ?」

 マルに聞いて、知事があせりながら議長に報告しても、どうすることもでけへん。

 とにかくほんまにエライこと起こってるゆうの伝わっただけや。


「艦長、子ども何人連れてきとる?」


 へ? こんな時にコタツいきなりなに聞いてんねん。


「8人だ」

「って、艦長もなに答えてんねん! しかもおるんか8人も!

 いやいや、それどころやない。危ないとこに子ども連れてくるてどういうことやねんな。

 ……あれ? そういうたら艦長ってどこにおるん?」


「本当に子どもの意味ではなく、この本艦、エルセコペリから遠隔操作している小型艦ニミツェリオリナンの意味なのだな。

 わたしはあなたたちの上の階で指揮をしているのだが、その場所は地球環境に合わせているから直接会うことはできないのだな」

「エル……? ニミ……? もいっぺん、なんて?」


「本艦のでかい方が“エル”。遠隔操作しとるちっこい方が“ミニ”て覚えとけ」

「あ、覚えられた」


「エルそのもんは大きないけど、ミニいう兵器のかたまりみたいなやつ8機、地球と太陽くらい離れた距離で遠隔操作して連れとるんや。

 そう考えたらこいつのサイズはとんでもないゆうこちゃ。

 知らんとエルに近寄るもんは、姿見えへん8方向からのミニの攻撃とエル合わせて9機相手せんなならんことになるんや」

「そんな離れたとこから操作できんの? スゴイなあ、どないしてんの?

 電気とか光とか、それか脳波ピーッて出してるとか?」


「地球にない技術やから言うても分からへんやろけど、連続空間較差振動ちゅうもん利用しとる」

「……なにソレ?」


「そやから分からん言うてるやないか、落ち着いたら教えたる。今それどころやない」

「あ、そうか。ごめん」


「それより艦長! 空間チューブ何回使える?」

「こま切れなので52回。回数は足りるな」

「なにするん?」


「ツェプロドゥーファに触れへんのや、ミニ6機使こて空間に穴あけて別の場所に移動させる。まあ見とけ」


 言われるとおりチプロ見てたら、なんやチプロの横の星がどんどん消えてって、まっ暗のあな、どんどん大きなって……。

 ズボッ! ってチプロ吸い込まれてから、ちょっとだけ遠いとこに出てきた。



「……よう分からへん」

「ホース考えてみ、こっちから水入れたらあっちに出るやろ。ツェプロドゥーファをこっちの空間の入口から入れて、あっちの出口に出したんや」


「そっか、せやけどあんまり移動してなかったで?」

「ホンマは一気に太陽系の外まで出したいんやけど、長い距離移動させたらツェプロドゥーファが分裂して暴走おこすんや。

 考えてみ、あんだけのエネルギーのかたまりが崩壊するんやで。

 太陽の20倍くらいの超新星巨大爆発して出るファイヤーボールなみのエネルギーがまき散らされるねんぞ」


「……実感ないからよう分からへん」

「早い話、太陽系消滅や」


「それはアカンわ!!」

「そやろ? そやからちょっとずつ動かして、できるだけ早うに恒星系外にほり出したらなあかんねん。

 あせって失敗したら取り返しきけへんぞ」



「だ、大丈夫なのかね?」

 レグネイド知事の顔、さっきよりこわばっとる。そらそやろ、あたしもコワイ。


「コワなっても遅いぞ。失敗せんかってもヘタに近づいてツェプロドゥーファの手で触られたら終りや。

 心配すんないうのムリやけど、心配すんな誠恵。なんでこんな時に艦長がワイに話しかけてる思うねん。今ツェプロドゥーファ移動させる空間座標決めてんのワイやねんぞ」


「なんで? ってゆうか、コタツなんもしてへんやん!?」


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