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究極生物コタツ  作者: 吉川明人
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ネコがしゃべっとる!…②

「オレはネコではない!」

「なんなん? なんかのドッキリ? それともロボットなん?」

「ドッキリの意味は分からんが、オレはおまえが考えているものとは違う。

 オレはおまえたちが惑星UUe-6447と呼んでいる『ファリアロ』という星から拉致・監禁された」

 惑星UUe ……まだぜんぜん環境とか分かってへん6447番目の星言うっこっちゃ。

 頭にUU(Unknown Undeveloped 未知・未開発型)が入ってるし、しかも安全度は最悪のレベルE ……このSSa-16とは大違いの、めちゃめちゃ危険な星や。


「ほんまにロボットちゃうの?」

「違う。分かりやすく言えば宇宙人だ」

「宇宙人……ネコやん。宇宙ネコ」

 あれぇ、せやけど確かにネコとはちょっとちがうけど、よう見たらめっちゃカワイイやん!


「おまえたちの基準で判断するんじゃない。オレから言わせれば、おまえは巨大なラッサバだぞ」

「ラッサバって、なんなん?」

「ファリアロの熱帯に暮らす体毛がとても派手なサルだ。

 さらに、オレから見ればおまえが宇宙人だ」

「そうなん? へぇー。あたし宇宙人なんや。

 じゃあネコの宇宙人がなんでこんなとこにおんの?」

「だからおまえたちの手によって、拉致されてきたと言っただろう」

「あたしらの手ぇで? どう言うことなん?」

「ふむ。どうやらおまえたち地球人すべてが理解している問題ではないようだな。

 ではまず話を整理しよう。オレは地球人が地球の知的生命体であるように、ファリアロという星の知的生命体だ。

 しかし、おまえたち地球人はオレたちを外見だけで珍しい生き物として、拉致・監禁、早く言えばペットにしようとする。

 しかし、オレたちはそんな境遇よりも、生まれた星の環境で自然に暮らすことを望んでいる」

「なんやよう分からへんけど、宇宙に進出してから珍しい生きもんブームが起きてるからなあ。

 あんたもそれで捕まったんか、かわいそうになあ」

「おまえたち地球人は外宇宙に進出したばかりのくせに、次々他の星に暮らす生き物の生存権を奪い、侵略を続けている。

 だから銀河連合へ所属させるには未発達だと多くの星系から反対されている」

「地球人ってまだ未発達なん? ほんならその銀河連合いうとこに入ってる星ってすごいんやろうなあ」

「地球も科学技術的にはクリアしている。しかし、他の星への侵略を続けるような幼稚さでは加入は認められない。

 それぞれの惑星に暮らす生き物がどのような姿に見えても、対等の立場を取り、権利を認められないようでは野蛮な種族と見られても当然だ。

 このままでは銀河連合はしかるべき処置を取るだろう」

「しかるべき処置ってなに?」

「地球人が侵略したすべての星から退去させ、地球内だけでとどまるよう連合軍の監視がつけられる。

 もちろん警告はするが、残念だがこの処置を受けるに至った文明は無視することが多く、抵抗するなら攻撃も辞さない。

 かつて7種の知的生命体が滅んだ経歴があるが、それも銀河全体の平和のためだ」

「うわあ! そんなん大変やん!」

「まあ、今すぐというわけではないから安心しろ。

 だからといって、このままではそうなる。そうならないよう考えを改めるべきだ」

「そんなん、あたしに言われても……」

「分かっている。注意しているだけだ。

 いずれ銀河連合の特使が地球人の代表とコンタクトを取るだろう」

「それやったら良かった」

「しかし、おまえ個人にできることはある」

「なんなん?」

「まず、おまえ自身が他の星の生き物を欲しがらないことと、身近な者が欲しがっている場合いさめることだ」

「いさめる?」

「やめさせることだ。その生き物にとってなにが本当の幸せかを理解してな」

「せやけど、ものすごう可愛がったはる人もいはるけど」

「それはおまえたちの基準から見た可愛がりかただ。

 おまえは他の惑星の者から一方的な感覚で可愛がられるなら、家族や友だちから突然離ればなれにされ、首輪をつけられ自由を奪われてもいいか?」

「それは……イヤやなあ」

「もちろんその状態に満足できる生き物もいるし、そうでなければ生きられない生き物もいるだろう。

 しかし、ガマンできないほうが自然だろう?」

「……そうか。そうやんなあ。うん、そんなんあったら、いめさることにするわ」

「いさめるだ! しかし、おまえは理解が早い。オレが選んだだけのことはある」

「選んだ? あたし?」

「そうだ。おまえに手伝ってもらいたいことがある」

「あたしに? なにを?」


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