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究極生物コタツ  作者: 吉川明人
19/42

エラいもん来よった!!…⑤


「そういうたらカロー代表いうんも名前聞いてへんかったなあ」

 あたしが聞いたら、なんやちょっと首かしげて深呼吸する。


「ふむ、ワタシはヌアンザカリ・ツモローィネン・バセリピ・ティンタッテャバ……。

 あとまだ24単語続くのですが、通称はザカリと呼ばれております」


「び、びっくりした〜。エライこと聞いてもうた思て、冷や汗出たわ」

「誠恵、ワイが聞かへんかったん気づかんかったんか?

 カロー人の中にはちゃんと名乗らんと失礼やて全部名乗ってくれるもんもおるんや。

 そんときは聞いたほうも全部聞かんと失礼になる。

 カローのもんに会うたら、何気なく短い名前聞いといて、ある程度親しなってから全部聞くんが礼儀なんやぞ」


「ゴメン、知らんかってん」

「いやいや仕方ないことです。ワタシもそう思い、区切ったのですから」


「ほなみんな分かったところで早速、地球代表とおうて話つけたる。交渉してんのマルとザカリ代表だけか?」

「ほかに2名、ラケンドラ代表とグラワル代表が交渉現場に」


「また強気なやつ連れてきたな。初めっから決裂するつもりか」

「危険な種族と判断していましたので……」


「地球の交渉相手は?」

「ほぼすべての州の知事ですが、中心は地球連合の議長ウトーピー氏とアメリカ州知事レグネイド氏。特にレグネイド氏は強引だ」


 あー、あの人の強引なんは有名やからなあ。


「あいつか。なんや、ほんなら話早いやないか任せとけ」

 自信満々のコタツと一緒にあたしらは特使船から降ろされて地球連合ビルに入った。


 今度はあたしらがケースから出されて、マルとザカリさんが浮かんで動くケースで移動してる。


「ファリアロ前リーダー! 生きていたのですか」

「我々はてっきり地球人の手によって殺されたとばかり……」


「実際そうなりかけた。せやけどこのとおり生きてるで」

「本当にご無事でなにより」


 先にいてた2人がめちゃめちゃ喜んでる。この2人がさっきのラケン…なんとかと、グラ…なんとかやったっけ? 代表やねんな。

 そやけど人型やけど地球人ちゃうから顔の表情とか分からへん。

 分からへんけど喜んでる気配がものすご伝わってくる……こういうのて宇宙共通なんやなあ。


「おまえらにも紹介しとく、誠恵や。ワイの命の恩人で、今も世話になっとる」

「そんなんコタツ言い過ぎ……」


「ありがとう! 我々からもお礼を申し上げる」

「本当にありがとう」


 言い訳する間もなく、差し出された手の分ケースの外からニューッて伸びて握手? された。


 いかつい姿やからちょっとこわかったけど、コタツの知り合いやねんし、コタツ生きてたのこんな喜んでくれるんや。悪もんやない。


 そやけど、あたしだけ子どもやし、めっちゃ浮いてる。

 連合の人らはあたしも宇宙人やと思て見てるし。

 そらそうやろけど、こんだけの人らにめずらしもん見る目で見られるの、居心地悪いなあ……。


「これはまた、我々にそっくりな種族もいるのだな。箱に入らなくても構わないのか」


 見たことある〜。

 レグネイド知事や。なんやめっちゃ感じ悪い〜。

「ちゃうで、あたし地球人やで」


「は? なにを言うかと思えば。我々地球人とはるばる宇宙から来られた方々と大切な話をしている場に地球人の子どもが宇宙人に連れられて来れるわけがなかろう」

「いや、間違いなくこの子は地球人だ。そして先ほど交渉が分裂する寸前、次の威嚇攻撃を行うのを止めた人物でもある」


「こんな子どもが君たちの威嚇攻撃を止めさせた? いったい? どうやって?」

 会議場にいてた人らがいっぺんにザワザワする中で、知事がヘンなオーバージェスチャーで聞きよる。

 コタツ怒らへんやろか。


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