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究極生物コタツ  作者: 吉川明人
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エラいもん来よった!!…②


「とにかく急げ。ワイが着く前に地球側がヘタに攻撃仕掛けへんこと祈っとけ」

「やっぱり歯あたたへん?」


「地球の技術ゆうたら地球人1種類で開発した技術やろ。

 銀河連合の技術は連合に所属しとる2147の惑星から開発された技術の結集や。太刀打ちできるはずないやろ。

 ワイもそれなりに知ってるけど、地球の技術段階コワしたあかん思て話してへんのや」

「そうなんや。せやったら地球連合が攻撃なんしたら……」


「そやな、例えば……気い悪いやろけどガマンしてくれ。

 地球連合最強の戦闘機ハエやとしょうや。あのソトバ級の戦闘力がどんだけか分かるか?」

「あのロシア州のSu-370やったっけ? すごいヒコーキがハエて……ほんならハトくらい? カラス? ワシ?」


「ゾウの大群や!!」

「ゾウの大群!? どないもでけへんやん!!」


「そやから早うワイがあそこに行くしかないんや。交渉が決裂する前に着けたらなんとかしたる」

「……いつもコタツには助けられてばかりやなぁ」


「まだ助かってへんぞ。たどり着けんで人間絶滅するかも知れん。安心すんな」

「うん。急ぐ」


 必死であせってたら、あちこちから臨時ニュース流れてきた……特使船からなんや小さいレーザー発射されたとたん、太平洋でめっちゃ大っきい爆発起こったらしい。


 ケータイでニュース見ても、特使船の目的分からへんからどっこも情報つかめへんで、世界中パニックになりつつあるみたいや。

 被害とかまだ分からへんけど、津波警報も出てる。



「最初の威嚇や。見た目は派手やけど被害は最小限になるよう計算されとる」

「威嚇でこれなん?」


「こんなもんちゃうで、次にあったら今度はそれなりの被害出るで」

「アカン! 急がな!!」


 せやけど、せっかく来たのにグアヤキルの空港閉鎖されて降りられへんかった。


 しゃあないからもう一つの空港ある街キトに降りて、そっからエクラノトレイン『トニトルス(雷鳴)』でグアヤキルに行こうとしたけど、また途中で止められた。


 もうグアヤキル全体に戒厳令がしかれてて、入るんも出るんもでけへん。


「どないするコタツ?」

「どないもこないも、入らな意味あらへん。強行突破してでも行かな」


「せやけどえらい数の軍人さんいてるで」

「ほんなら誠恵、誰でもええ、こっから北の方角に知り合いおるか?」


「北のほう? アメリカとか……」

「連絡できるやつおったら誰でもええからかけるんや。特使船は今近くの電波キャッチしながら交渉しとるはずや。

 誠恵が電話で話しとる電波の中にワイが割り込んで、向う側でキャッチさせて迎えにこさせるしかないやろ」


「よう分からへんけど、友だちに電話したらええんやな。北いうたらカナダにジーンおったな……」


 友だち短縮の244番……。



「ハッロウー! メグミ。地球の一大事にお電話とは嬉しいネ!

 最後に話しておきたいお友だちに選んでくれたのカナ?」


 いつもながらむっちゃ陽気や。

 しかもジーンはあたしのことメグミて呼ぶ。

 ジーンが言うには、ニホンでは昔イミナいうて、親しなったら違う名前で呼ぶ習慣があったらしいけど、あたし聞いたことない。


「ちゃうねん、あ、ちゃうことないねんけどちゃうねん。

 今人類が絶滅しかかってるねん、そやからグアヤキルまで来てんねんけどな」


「OH! メグーミも意外にブーイングホースネ」

「ぶーいんぐほーす?」


「野次をとばされル馬のことだヨ。アターシ、ニホン語勉強してるネ。

 競馬で負けた人たちみんなが集まって負けた馬にブーイングするところからできた言葉ネ!」

「えーっと、それ使い方ちゃうで」


「バツですか? Oh ソウリー」

「それどころやないねん!」


「そうでした! ご用事ハなんですか?」

「ご用事いうか、あたしとジーン挟んで特使船おるねん。

 その電波の中にコタツが入ってここ見つけてもらわんとあかんねんやわ」


「……メグミとアターシはサンデー得してお昼寝?

 素のおでんの中にコタツに入って5個煮付けて盛る碗は赤いねんわや???

 ……ニホン語やっぱりむつかしいネ」


「えーっと、あたしもなに言うてるか分からへん。なんて説明したらええんやろ」


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