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究極生物コタツ  作者: 吉川明人
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ネコがしゃべっとる!…①

これを書いているのは生まれも育ちも関西人です。

 ジュニアスクール最後の夏休み、あたし稲里誠恵いなさと まえは1人でおじいちゃんの住んどる惑星SSa-16(Safety Sightseeing 観光型 安全レベルA-No.16)にきた。

 人間が太陽系の外の星に暮らすようになってから51年もたったけど、これも光より速う移動する方法を発見したキタノダ博士のおかげや。

 博士の娘さんの名前から付けられた『ヒカリちゃん』理論のおかげで、今では恒星間旅行は当たり前になってる。

 光より速いのに、なんでヒカリちゃんやねん! ってツッコミはもう使い古されてるねん。


 せやけど環境が違う別の星に人間が暮らせるよう造り変える方法ができてからは、ものすごい早さでいろんな星に住めるようになったんや。

 一時はブームにもなったくらいで、スターバブルとか呼ばれたんやで。

 当時の宇宙港にものすごい数の人らが詰めかける古い映像は時々映像で流されるけど、ようあんだけ集まったもんや。

 そのおかげで、今のあたしらは地球から月経由して470光年離れた惑星SSa-16に、6時間のフライトで到着できるようになったんや。えらい進歩やで。


 SSa-16の宇宙港に着いたけど、おじいちゃんらが迎えにきてるはずやのに、見あたらへん。

 ケータイに連絡したら、宇宙港バスが渋滞につかまってるらしい。

 宇宙にどんどん進出してるのに、地上はどこ行っても渋滞してる。特にこのSSa-16は観光惑星やから時季によってものスゴ混むんや。

 せやから少し早よう家出といて言うてたのに。


 しゃあないから時間つぶしに歩きながら外眺めてたら、いろんな宇宙船停まってる。

 個人用の小型のからジャンボサイズまで、民間の宇宙船会社の船体は表面にコマーシャル流れてるから、えらい派手や。

 そん中の1番はじっこに、船体ナンバーだけの愛想ないグレーの宇宙船が停まってる。

 ああいうのは近づかんほうがええねん。

 後ろめたいオッサンらが乗ってるか、秘密のことでもやってるオッサンらが乗ってるんや。大体、はじっこいうところがアヤシイわ。


「ちゃうねん。これから流されるコマーシャルデータ読み込んでるだけやっちゅーねん!」

 とりあえず自分でツッコンどこ。

 せやけどなんも動いてへん、描いてへん宇宙船て、逆に珍しいからケータイで撮ったろ。

 みんなー、珍しい宇宙船おるでえ。

 画像アップしたら、すぐ『初めて見た!』『なんか変な感じ』『すっげ! そんなの飛んでるの見てみてー』とか感想返ってくる。

 それにしても……ここ、どこやろ?

 なんや貨物とか荷物ばかりで誰もおらへん。ひょっとして……。


「うわぁ! あたしまた迷てるやん!!」

 アカンねん。

 あたしめちゃめちゃ方向音痴やねん。

 なんや知らんうちに迷ってしまうんや。

 分かってる。分かっててもじっとしてられへんねん。


「おい、おまえ」


 うわビックリした! ってあれ? 誰もおれへん。ひょっとして怪奇現象!?


「なにをキョロキョロしている? ここだ」

 また聞こえる〜!

「おい! 足元だ、下を見ろ」

「へ?」

 下見たら、まっ白のネコがおる。

 あんたか?

 あんたが話しかけたんか?

 って、そんなことあら……


「やっと気づいたか」

「うえええぇ! なんやあ! ネコがしゃべっとる!!」


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