大量死
何も起きない日の方が怖い。
今日は誰も光らなかった、各階の掲示板には死傷者数という文字が浮かんでいる、だから全員怖れていた、次は誰かと目を光らせていた。
その日だけは、本当に何も起こらなかった。
展示物の作り直しをすることになった、くだらない冗談も、お喋りも禁止だ。
こんな年になんの思い出があるのか、俺にはわからなくなっていた。
クラスメートは、俺のことをいつも遠巻きに見ている、決して近づかない、目を合わせない。
明らかに怯えている気配がする、俺は心を完全に凍らせることにした。
完成した展示物をみんなで飾り出す。
支えていた誰かの手が滑る、
喉の奥で鳴るような「ひゃっ」という声が響く。
笑ってはいけないという緊張感で、ついくすくす笑う者が出た、その笑いが半分以上に達した時、笑った者の手首が光り始めた、。
みんな手首の内側を見せろ!
叫ぶと笑った全員がくるっと手首を返す。
全員の手首の文字は首だった。
手の施しようがない、全員が「いやああああ」
などと言って騒ぎ始める。
からの地獄のカウントダウンは、より残酷さを広げるだけだった。
カウントがになった瞬間、クラスの半数の首が吹っ飛んだ。
びちゃびちゃびちゃ
残ったみんなの顔に、肉片が飛び散る。
その生々しい匂いに、俺以外、残りの全員が慌てて走って吐きに行く。
全身血まみれなので、廊下に走り出たほとんどの人間は、ぬめる血に足を取られ滑る、滑っては隣にいるやつに掴まり、また滑る。
まるで奇妙なダンスでも踊っているかのような光景が広がっていった。
すると俺の手首がまた光り出した。
右手首。
左手首右手小指。
もう慣れたものだ、俺は医療チームにメスを借り、指を切り落とした。
戻ってきた奴らは、俺を見てひそひそと囁きあっている。
「やっぱりあいつ死神なんだって」
「あいつがいるとろくなことないじゃん」
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