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ロクでなしの魔女  作者: 木介


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2/2

探りあい

【登場人物】

・ハウス

魔女に会うため屋敷を訪れる。

その際に門番と一戦交え、道具を駆使して辛くも勝利する。


・ボンド

魔女の屋敷の門番。

顔と身体が分離しており腕がたつ。

ハウスとの戦闘時に一撃与えたが傷を負わなかったハウスに敗北した。

扉を開けるとそこには広いエントランスがあり、天井にある豪華なシャンデリアが一面を華やかに照らしている。

出迎えていたのは四人、手前にスーツを着た白髪の老人と獣耳の子供が警戒しながら待ち構えている。

その後ろにはメイド服を着た鉄仮面の女性と黒いキャミソールを着ている女性が少し離れてこちらの様子を伺っていた。

その状況を察して手に持っていたボンドが言う。


「魔女、お前に客だよ」


そのぶっきらぼうな物言いに白髪の老人が怒る。


「ボンドお前は何て言い方をするんだ!」


その言葉に対してボンドは

「【レアルタ】俺はあんたと違って召し使いじゃないんだから別に良いだろ」


お互いに睨みあい、しばらく沈黙が続く。

すると一番奥にいた黒いキャミソールを着た女性が「私に用かしら?」と周りの制止も気にせずハウスの前に出てくる。


彼女が魔女、全体に黒をいや闇をまとっているかのように感じた。

それは着ている物のせいか、あるいは胸まである長い黒髪のせいか、どれも違う。

彼女の眼だ、彼女のこちらを見る眼に光が無く呑み込まれそうになる、それゆえの闇なのだ。


「あんたが魔女【リリス】か…俺はあんたに会いに来た」


ハウスは彼女の闇を見つめて話す、するとリリスはにこやかに微笑み。

「じゃあ立ち話もなんですからこちらへどうぞ」とハウスを背にして左側の扉へと向かう、その隙だらけの行動にハウスは恐れを抱きながら付いて行こうとした時。


「手に持っているそれは私が受け取りましょう」


そう言って手を出すレアルタ、この時ボンドと目が合った。

ボンドは「おい!渡すなんて冗談じゃねぇぞ!」等ごちゃごちゃと言っていたが、ハウスは気にせずに渡す。

受け取ったレアルタがボンドの髪を掴みブンブンと回しているのを尻目にリリスの後を追うのだった。


扉を抜けるとそこは右奥へ続くように一面赤い絨毯が敷かれている廊下で目的地は目の前の扉だ。他所へ行かないように獣耳の子供が待ち構えておりさっさと入るよう仕草で促してくる。


中に入ると部屋の左側に柔らかそうなソファーがテーブルを挟んで2つ置いてあり、窓側の席にリリスが座って待っていた。

ハウスはリリスと対するように腰を掛ける。


「よろしければどうぞ」


仕切りで区切ってある右奥の区画からタイミング良く鉄仮面のメイドが紅茶とお茶菓子を差し出してきた。紅茶の香りが気持ちを和らげる。

リリスは紅茶に口をつけてから、ふぅっと息をつき。ハウスを見つめる。


ハウスはその行動を見て自らも紅茶に口をつけた。

リリスは微笑みを浮かべて話を始める。


「さて、あの森を抜けられたって事はどうしても私に会いたい気持ちで来たって事よね?」


「一体どんな理由で私に会いにきたのかな?」


わざとらしく演技しながら話してくる、この舐めた態度に緊張感を与える為ハウスは拳銃をテーブルの上に置き伝えた。


「リリス、貴女あなたを殺しに来ました」


周りの空気が変わり殺気が満ちる。

だが唯一リリスの空気は変わらずハウスに言葉を返した。


「じゃあ何で今殺さないの?」


この質問はハウスを試すものであった。

この男はどこまで知っているのかリリスは腹を探る。一方でハウスもこの質問の意図を読み取り、ある程度知っている様子を出しながら、重要な事を隠すように返答をする。


「何でって使用人がまだ六人いるだろう」


この言葉を聞きリリスは「ふーーん」と目を細める。

「一体誰の差し金かしら?」とリリスは相変わらず演技を崩さない、対してハウスは「さぁ誰でしょう?」とおどけてみせた。

瞬間リリスと視線が合い、お互いに笑い合い会話を続ける。


「素敵な銃ねどこで貰ったの?」

「捨てられていたのを拾っただけさ」

「じゃあそのジャケットも?」

「あぁ、似合うだろ」

「どちらも高級品よ、間違えて捨てたんじゃない?私が持ち主を探してあげるわ」

「それは無理だよ」

「どうして?」

「この世にいないからね」

「持ち主を知ってるの?」

「まだ知らないけど、よく知ってるよ」

「なにそれ」


再び二人は視線を交わし笑い合う。

この二人の世界に周りは置いてかれ他人が入る余地など無かった。


そんな腹の探りあいをした後、ハウスは2階の客室へ案内された。自らの命を狙う者をリリスは面白がり満足するまで居ても良いとの事だ。

たとえリリスの気まぐれでもハウスにとってこの申し出はありがたいがその反面、彼女の意図が分からず部屋にいても心が休まる事は無い。

ハウスはベットには入らず壁にもたれて目を閉じるのだった。

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