8話~13話
第一章・第8話「秘密基地のお泊まり会!」
お姉ちゃんたちも仲間に加わり、ますますにぎやかになった私たちの秘密基地。
「ねえねえ、せっかくだし、秘密基地でお泊まり会しようよ!」
ルナお姉ちゃんが言い出して、みんな大賛成!
「秘密基地で夜を過ごす」――それは、子どもにとっての大冒険。
でも、うちの村は田舎だから、夜は真っ暗になるし、獣も出るかもしれない。 だから、ちゃんと準備をしてから挑戦しよう!
◆ お泊まり会の準備!
「まずは、寝る場所を作らないと!」
私は「自在建築」のスキルを使って、秘密基地に寝室を追加した。
「うわあ! すごーい!」
木の壁とふかふかの床ができて、快適な部屋が完成! ふとんの代わりに、柔らかい草を敷いてクッション性もばっちり。
「次はごはん!」
夕飯は、私の「衣食住の恵み」のスキルを使って、みんなが好きなものを用意。
✔ ふわふわのパン ✔ あったかいスープ ✔ 焼きたてのお肉 ✔ 村で採れたフルーツ
「おいしすぎるー!」 「こんな豪華なご飯、食べたことない!」
みんな大喜びで、もりもり食べる。
「よーし、おなかいっぱいになったし、夜の遊びをしよう!」
◆ 夜の秘密基地で遊ぼう!
夜の遊びといえば――
「肝試し!」
「ええっ!? こ、こわいよぉ……」
怖がる子もいるけど、みんなでやれば大丈夫!
「ルールは簡単! 1人ずつ、この森の中にある大きな岩まで行って、手をつけて帰ってくること!」
「途中で泣いたら負けだからね!」
「ひえええ……!」
ドキドキしながら、1人ずつ森へ。
「ううっ……暗い……」
「がんばれー!」
みんな応援しながら、次々とチャレンジ。
すると――
「きゃああああ!!!」
突然、悲鳴が響いた!
「な、なに!?」
駆けつけると……
「……ふ、フクロウが飛び立っただけだった……」
「なーんだ! ビックリしたー!」
みんな大笑い。
無事に肝試しも終わり、夜の遊びは大成功!
◆ 夜のおしゃべりタイム
肝試しのあとは、秘密基地で夜のおしゃべり会!
「ねえ、みんなは将来、何になりたい?」
「私は、お菓子屋さん!」
「私は、強い冒険者になりたいなぁ!」
「私は……この村でずっとのんびり暮らしたい」
「それ、いいねー!」
おしゃべりしながら、だんだん眠くなって……
「……おやすみなさい……」
私たちは、秘密基地でぐっすり眠った。
◆ お泊まり会、大成功!
朝になり、みんなで秘密基地を掃除して、家に帰ることに。
「楽しかったー!」
「またやろうね!」
こうして、秘密基地のお泊まり会は大成功!
次はどんな遊びをしようかな?
(第8話・完)
次回予告(第9話):「お祭りと秘密基地!」
村のお祭りの日! 秘密基地でも特別な遊びをしようとするけど……!?
第一章・第9話「お祭りと秘密基地!」
今日は村のお祭りの日!
1年に1度だけ開かれるこのお祭りは、村中がにぎやかになる楽しいイベント。 屋台が並び、歌や踊りがあり、大人も子どももみんなが楽しみにしている。
「今年は秘密基地でもお祭りをしよう!」
私たちはそう決めて、『秘密基地お祭り』 を開くことになった!
◆ お祭りの準備!
「まずは屋台を作らないとね!」
私は『自在建築』のスキルを使い、秘密基地の広場に小さな屋台をいくつか作った。
✔ 食べ物の屋台 ✔ ゲームの屋台 ✔ おみくじの屋台
「すごーい! まるで本物みたい!」
みんな大はしゃぎ! さっそく準備を始める。
◆ 屋台のメニュー
食べ物屋台 私の『衣食住の恵み』のスキルを使って、村のお祭りでは売っていないような食べ物を用意した。
✔ ふわふわのカステラ(ふんわり甘くて大人気!)
✔ カラフルなキャンディー(村では見たことない!)
✔ 焼きトウモロコシ(香ばしくておいしい!)
「こんなの初めて食べる!」 「おいしすぎるー!」
みんな大満足!
◆ ゲーム屋台
輪投げ 木の棒を立てて、そこに輪っかを投げるだけのシンプルなゲーム。
「えいっ!」 「やった! 入った!」
当たったらお菓子がもらえるから、みんな真剣。
風船割り 目をつぶって風船を割る遊び。音が大きくてびっくり!
「きゃー! 割れた!」
◆ おみくじ屋台
「最後はおみくじだよ!」
手作りのおみくじをみんなで引く。
「私は『大吉』!」 「やったー! 『中吉』!」 「ええっ、『大凶』!? わーん!」
結果を見て、一喜一憂。
◆ 村のお祭りへ!
「秘密基地のお祭り、楽しかったね!」 「でも、村のお祭りも行こうよ!」
秘密基地のお祭りが終わったあとは、みんなで村の広場へ向かった。
広場では、大人たちが本物の屋台を出していて、もっとにぎやか!
✔ おいしい串焼き ✔ 村の特産品のお菓子 ✔ 楽しい踊りや歌
「すごーい! にぎやかー!」
夜になると、村の広場で花火が打ち上げられた。
「わああ……!」
空いっぱいに広がる光の花。 それを見ながら、みんなで手をつないで笑い合う。
◆ 最高のお祭りの日!
秘密基地のお祭りも、村のお祭りも大成功!
「楽しかったー!」 「また来年もやろうね!」
こうして、お祭りの日は大満足で終わった。
でも、次の日――
「ええっ!? 秘密基地に新しいお客さんが来た!?」
まさかの展開に、みんなびっくり!?
(第9話・完)
次回予告(第10話):「秘密基地に迷い込んだ少女」
お祭りの翌日、秘密基地に見知らぬ女の子がやってきた!? 彼女は一体……?
第一章・第11話「エリィちゃんの特別な力?」
エリィちゃんが秘密基地の仲間になってから数日が経った。
「エリィちゃん、今日は一緒に川遊びしよう!」 「うん!」
みんなと一緒に川へ行き、水遊びを楽しんでいたとき――
「えいっ!」
エリィちゃんが水面を軽く叩いた瞬間、突然水がふわっと浮かび上がったのだ。
「えっ!? なんで!?」 「す、すごい! まるで魔法みたい!」
エリィちゃん自身は驚いて、目をパチクリさせていた。
「……わ、わたし、何もしてない……」
でも、間違いなくエリィちゃんの動きに合わせて水が動いていた。
まさか……エリィちゃんには特別な力がある!?
◆ もしかして、加護持ち?
秘密基地に戻ると、みんなで相談した。
「魔法とは違うよね?」 「スキルってこと?」
ルナお姉ちゃんが腕を組みながら言った。
「もしかして……『加護』なんじゃない?」
「えっ、『加護』?」
この世界には、神様から授かる特別な力『加護』がある。 魔法やスキルとは違い、生まれつき持っていることもあれば、後から授かることもある。
「でも、エリィちゃんは記憶がないんでしょ? だったら自分が加護持ちかどうかもわからないんじゃない?」
「そうだよね……」
エリィちゃん自身は、ただ不安そうに俯いていた。
◆ 加護を試してみよう!
「とにかく、もう一度試してみよう!」
みんなで川へ戻り、エリィちゃんにいろいろやってもらった。
✔ 水を触ると、形を変えられる
✔ 手をかざすと、水がふわっと浮かぶ
✔ 水の流れを少し変えられる
「すごい! やっぱり特別な力だ!」 「水を操れる加護……?」
エリィちゃん自身はまだ戸惑っていたけど、私たちは興奮していた。
「ねえ、エリィちゃん! これを使えば、秘密基地で楽しいことがいっぱいできるよ!」
「……え?」
「たとえば、天然のウォータースライダーを作るとか!」
「それ、めっちゃ楽しそう!」
みんなの目がキラキラと輝いた。
「えっと……わたし、できるかな……?」
「大丈夫! みんなでやればできるよ!」
◆ 秘密基地の新アトラクション!
次の日。
「よーし! ここにウォータースライダーを作ろう!」
エリィちゃんの力を使って、川の流れを少し変え、私の**『自在建築』**のスキルで滑るための道を作る。
「エリィちゃん、お願い!」
「……うん!」
エリィちゃんが手をかざすと、水がふわっと流れ、まるで小さなウォータースライダーができあがった。
「わああ! すごい!天然ウォータースライダーだ!」
さっそくみんなで試してみる。
「いくよー! せーの!」
ザバァァァ!!
「きゃー! 楽しい!!」
みんな大はしゃぎ!
「エリィちゃんのおかげだね!」 「うん……! わたし、なんだかうれしい!」
エリィちゃんは少しだけ自信を持ったようだった。
◆ エリィちゃんの力、もっと使ってみよう!
ウォータースライダーが成功したことで、エリィちゃんも少しずつ自分の力を受け入れ始めた。
「これからも、いろんなことに使ってみようよ!」
「うん! やってみる!」
こうして、エリィちゃんの特別な力は、秘密基地の遊びをもっともっと楽しくしていくことになった。
でも、この力にはまだ秘密があることを、私はこのとき気づいていなかった――。
(第11話・完)
次回予告(第12話):「エリィちゃんを探している人?」
エリィちゃんの力が明らかになったその日、村に「エリィちゃんを探している」という人がやってきた……!? 彼女の正体は一体!?
第一章・第12話「エリィちゃんを探している人?」
「ねえ、聞いた? 村に変な人が来てるんだって」
次の日の朝、秘密基地に集まったみんなはソワソワしていた。
「変な人?」
「うん。なんかね、『小さな女の子を探してる』って言ってるらしいの」
「えっ!?」
私とエリィちゃんは思わず顔を見合わせた。
「それって、もしかして……エリィちゃんのこと?」
「……っ!」
エリィちゃんは不安そうに唇をかんだ。
◆ 村での噂
私はルナお姉ちゃんと一緒に、村に様子を見に行くことにした。
村の広場には、黒いマントを羽織った男の人がいた。
「……たしかに、ちょっと怪しいね」
「うん。でも、悪い人かどうかはわからないし……」
男の人は村の人たちに話しかけていた。
「ここに、小さな女の子が迷い込んでいませんでしたか?」
「どんな子を探してるんだ?」
「銀色の髪で、青い目の子です」
「ええっ!?」
私たちは驚いた。
エリィちゃんの特徴とぴったり一致してる!
◆ どうする?
急いで秘密基地に戻り、みんなに報告した。
「やっぱりエリィちゃんのことを探してるみたい……!」
「どうしよう……?」
エリィちゃんは不安そうに縮こまる。
「……わたし、あの人のこと知らない……でも、怖い……」
「うーん……でも、悪い人かどうかもわからないし……」
みんなで悩んでいると、ルナお姉ちゃんが言った。
「とにかく、もう少し様子を見よう。それで、本当に危ない人なら……エリィちゃんを守ればいい」
「……うん!」
◆ 夜の村で
その日の夜。
私はこっそり村の広場に行ってみた。
黒いマントの男の人が、まだ村にいた。
焚き火の前に座って、何かを見つめている。
(……あれ?)
男の人が手にしていたのは、一枚の古びた紙だった。
私は物陰に隠れながら、そっと覗いてみる。
そこには――
エリィちゃんの絵が描かれていた。
(やっぱり……!)
エリィちゃんは、本当にどこかから来たお姫様か何かだったのかもしれない……!
私は息を呑んだ。
◆ エリィちゃんの過去は……?
次の日、私はエリィちゃんにそっと聞いてみた。
「ねえ、エリィちゃん。何か思い出せそう?」
「……ううん。でも、わたし……ときどき、変な夢を見るの」
「変な夢?」
「うん。大きなお城があって、たくさんの人がいて……でも、すごく怖くて、わたし、そこから逃げようとしてて……」
「……!」
もしかして、エリィちゃんはどこかの国のお姫様で、何かの理由で逃げてきた……?
「……ねえ、日和ちゃん。わたし、どうしたらいいの?」
エリィちゃんは不安そうに私を見つめた。
私はしっかりとうなずく。
「大丈夫だよ。私たちはエリィちゃんの味方だから!」
「……!」
エリィちゃんの目が、少しだけ潤んだ。
「ありがとう……!」
◆ そして、訪れる運命の日
次の日。
村の広場に再び行ってみると、黒いマントの男の人が村長さんと話していた。
「私はこの子の家族の者です。お願いです、見つけたら教えてください」
「本当に家族なのか?」
「ええ。証拠もあります」
男の人はポケットから銀色のペンダントを取り出した。
そのペンダントには――
エリィちゃんとそっくりな顔が彫られていた。
「……!」
私は急いで秘密基地に戻り、みんなに伝えた。
「エリィちゃん……もしかしたら、本当に家族の人かもしれない……!」
でも、エリィちゃんは困ったような顔をしていた。
「……どうしよう……?」
「会ってみる? それとも、まだ隠れる?」
「……わたし……」
エリィちゃんは小さく息を吸い込んだ。
「……もう少しだけ、みんなと一緒にいたい……」
「……うん! わかった!」
私たちはエリィちゃんを守ることを決めた。
でも、この選択が、やがて大きな事件を引き起こすことになるとは、まだ誰も知らなかった――。
(第12話・完)
次回予告(第13話):「隠れながらの日常」
エリィちゃんを守るため、秘密基地での生活がより慎重に!? だけど、みんなで工夫して、今まで以上に楽しい毎日を作っていく!
第一章・第13話「隠れながらの日常」
エリィちゃんを探す人が村にいる。
その事実は、私たちの平和な日々に小さな影を落とした。
「とりあえず、しばらくは秘密基地で過ごそう」
ルナお姉ちゃんがそう決めてくれた。
“しばらく” というのがどれくらいなのかは分からないけれど、とにかくエリィちゃんが安心できるまでは、いつものようにみんなで遊びながら過ごすことにした。
◆ 隠れながらの生活
今までも秘密基地で遊んでいたけど、これからは本格的に「住む」ことになる。
「でもさ、私たち、秘密基地でちゃんと生活できるの?」
「うーん……ご飯とか、お風呂とか……」
「日和ちゃんの魔法があれば何とかなるんじゃない?」
「あ、たしかに!」
私の【衣食住の恵み】は、食べたことのあるものなら魔法で作れるし、服や家も作れる。
「じゃあ、まずはご飯だね!」
◆ ご飯を作ろう!
「日和ちゃんの魔法で、なにか作ってみて!」
「うん、任せて!」
私は手をかざし、魔法を発動した。
「【衣食住の恵み】!」
ふわっと光が広がり、目の前にパンとスープが現れる。
「おおーっ!」
「今日のご飯はパンとスープだね!」
「おいしそう!」
「でも……」
エリィちゃんがそっとパンを持ち上げる。
「食べたことがあるものしか作れないんだよね……?」
「うん……」
私は少し困った顔をする。
「だから、新しい料理を作るには、一度どこかで食べて覚えないといけないんだよね」
「そっか……」
「でも、それならみんなで料理を覚えていけばいいんじゃない?」
「いいね!」
私たちは、村に買い物に行くことにした。
◆ 村へ買い出し
エリィちゃんは隠れていなきゃいけないから、私とルナお姉ちゃんで行くことにした。
「気をつけてね……」
「うん、すぐ戻るよ!」
市場には、新鮮な野菜や果物が並んでいた。
「あ、トマトがある! これ買おうよ!」
「うん、それとパンも……」
買い物をしていると、あの黒マントの男の人 が近くを歩いていた。
(……まだ村にいるんだ)
私は緊張しながらも、エリィちゃんのことを気づかれないように気をつけた。
◆ 料理の時間!
秘密基地に戻ると、みんなが待っていた。
「おかえり!」
「ちゃんと買えた?」
「うん、トマトとかパンとか買ってきたよ!」
「よし、じゃあ新しい料理を作ろう!」
ルナお姉ちゃんが張り切る。
「まずはトマトを刻んで……」
「パンの上にのせて、焼いたら……」
「美味しそう!」
私たちはみんなで料理を楽しみながら、新しい味を覚えていった。
こうして、秘密基地での生活は少しずつ充実していった。
◆ それでも不安は消えなくて
楽しい日々が続く中で、私はふと考える。
(このままで、本当に大丈夫なのかな……)
エリィちゃんは、あの人に見つかったらどうなるんだろう?
本当に「家族」なの? それとも……?
いつまでも隠れ続けるわけにはいかない。
でも、どうすればいいのか分からなかった。
私は夜空を見上げながら、小さくため息をついた。
(エリィちゃんのために、何かできることを考えなきゃ……)
そう決意する日和だった。
(第13話・完)
次回予告(第14話):「エリィちゃんの正体」
ある日、村の図書館で古い本を見つけた日和。その中には、エリィちゃんにそっくりな女の子の話が……!?