性逆転ボックス
人格を入れ替える事が出来る、こんな夢のような事が実際に出来る、アメリカの超一流大学が実験に成功した!この情報は全世界を駆け巡った。
この実験に成功した博士によると、頭に電極を張り巡らせたヘルメットを被せ、一定の時間だけ人格を入れ替える事が出来る、と言うのである。それも寝た状態で、脳の周波数を電極によって電流を流し、意識を入れ替えると言うのである。この画期的な発明は大きなビジネスチャンスだ、という企業も現れだした。
日本にも半年ほどして入って来て、先ずテレビで公開実験がとりおこなわれた。ある男性芸人と女性芸人が被験者に選ばれ、専門家立会いの下、撮影が執り行われた。
被験者は夫々ベッドに横になり、ヘルメットを被った。人格入れ替えは1時間ほど掛かるというので、その間テレビは過去に放送された人格が入れ替わというドラマや映画を流した。やがて実験は成功し、男性芸人と女性芸人は入れ替わった身体でそれぞれの持ちネタを披露した。インタビュアーは女性の身体に入った男性芸人に「アソコの無い感じはどんなかんじですか?」と訊いた。男性芸人は「そんなの、微妙で分からない」と顔を赤らめた。人格が入れ替わるのは、ベッドに横になった状態でヘルメットを被っている時だけなので、しかも一定時間内でそれを過ぎると命の危険があるので、そこでこの番組は終了した。かなりの高視聴率だった。
やがて人格を入れ替えるという事をヒントに、この機器を利用して「性逆転ボックス」と言うものが開発された。このマシンの中に入ると、男性は女性の、女性は男性の身体が体験できるというのである。
このマシンはお互いの性を体験することで男女の諍いを無くそうという事を謳い文句に、様々なアトラクションに設置された。このことは世間一般に広がり、一つの社会現象にまでなった。女性は男性の勃起する感触を体験出来たり、男性は女性の生理時のイライラを体験できたりした。
「男の人の身体ってなんだかゴツゴツしているみたいな感じ…」ある女子高生が街頭インタビューでそう答えた。
またLGBTQの人達がそれに噛みついてきた。
それから1,2年ほどすると街からカップルの姿が急に見られなくなりだした。性逆転ボックスを体験した若者達が、恋愛をしなくなりだしたのである。お互いの性を体験している為、異性に対する憧れが無くなってきだしたのである。当然少子化の原因にもそれが加わり、それを重く見た政府が、性逆転ボックスの規制に乗り出した。
やがて5年ほどもすると性逆転ボックスは姿を消した。
しかし異性の身体を体験した事で、自分がその性になりたい、という人たちが現れだし、性転換手術を受ける人たちが増えて来たのは、なんとも言い難いことである…
自分の性を入れ替える、私は性的マイノリティーではありませんが、一度女性の身体を体験したいものです。きっと今までの自分とは全く違う別世界がそこにあるんでしょうね!




