設計図2
「そう、ウラー。君は分子に解剖されここの壁になっている。ボクも壁になる前は人間だった」
「信じられねぇ……が。確かに俺はウラーと呼ばれていた。マーダス社のあの装置なら確かに納得だ。そして、【心だけが残った】わけか」
「……そうだよ」
暫し沈黙。
「なぁ、逆にこっちから元に戻る方法はねぇのか?」
「無理じゃないかな」
またまた沈黙。
「思い出した! ソラリスの設計図! あれは結局なんなんだ?」
「【超惑星型銀河一掃波動砲】、それがソラリスの星だよ」
つまり、とんでもない兵器ということ。その設計図はマーダスが欲しがっていた。見つけた者には五百兆ドラ支払われるという。
そしてまた沈黙。
「それほどの兵器のエネルギーはどうなっているんだ?」
「知らない」
「そう言えば、オンダスもどうやって俺達を分子、しかも人体にはない物質にしているんだ?」
確かにそう思うのが普通だ。試験管に入った僅かな水素を水に戻すには火が必要、マッチ一本。以上の火力。そしてそこから爆発(と、言っても試験管が破裂しない程度)が起こる。
例えばオンダスが電気で動いていたとしよう。その電源、電力はどこから? 業務用のバッテリーにしても、このグレーシスターズを賄える電力と資源などあり得ない。
一体どこから?
「ボク達がこうして心だけ残っているのも影響するのかな?」
「……き、」
「なんか言ったか?」
「ボクじゃないよ!」
「聴け! 人間よ!」
何者かの声が、オンダスで壁になった人か?
「聴け人間共よ! 我が名は【監査神ルジュルア】! お前達はイキスギタ! ヤリスギタ! よって粛清を行う。ソラリスを起動せよ! スクイズ・オルよ!」
何がどうなっているのか全く分からない二人。
一方でソラリス星。
「わかりました。ソラリスに捧げます。ソラリス起動!」
おじいさんソラリス人がそう言うとソラリス星が動き出すなんと一分で大きな大砲へと変化、そして、終末を告げる紫色の閃光と太陽系銀河に降り注ぐとても重いエネルギー。
この日。太陽系銀河は滅んだ。