表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/4

柔道

 女の子だった。男の子なら力も強いしもっと強くなれるのに……。


 しかし!


 テレビで見たオリンピック。日本対クルネ。クルネはニメートル超えの超人ばかり。日本はやはり小柄だ。日本が負ける。私はそう思った。だけど、小柄なのに強い! これだ! 私は柔道を極める!


 まずはルールを知らないと! お父さんなら知ってるかなぁ?

「柔道? あぁ、外国人に奪われた日本の格闘技か。あんなものよりeスポーツにしなさい。習い事少なくできる」

 私はカチンときて、テレビで見た柔道の技、えーとなんだっけ? 取り敢えず斧を振り下ろすようにお父さんを投げた! 私にもできた!

「今のが一本背負投よ。柔道の華ね」

 お母さんは味方になってくれるかな? 

「お母さん! 柔道習いたい!」

「んー、結構お金かかるのよね。今、日本の人口が一億人で、柔道やっているのが約三十人で平均年齢も三十代。はっきり言って日本ではやっている人はオタク扱いよ? それに【佳代かよ】はまだ小学生じゃない」

 佳代とは私の事。小学二年。

「で、でも、今の一本背負いはなかなかだったぞ? コーヒーカップ持ってて払えなかったとは言え、お父さんを投げるなんて。力だけじゃない。身体の使い方が巧かった。これはひょっとするぞ?」

 コーヒーでびちゃびちゃのお父さんにまず謝り、どういうことか聞く。

「つまり、才能があるかも知れん」

「さいのー?」

「向いてるって事よ」


 それから数年。私は柔道を辞めていた。

「どうしたの佳代?」

「ん? 何が?」話し掛けてきたのは中学までずっと一緒の【レベラ・T・倉間くらま】、あだ名は【ベラちー】。

「なんかぼーっとしてたから」

「柔道が無くなってから二年かぁ……って思って」

「ああ、【柔術】になったんだよね? あれ、どこが違うの?」

「なんて言うか、柔よく剛を制すって感じじゃないんだよねぇ……」

 なんと、柔道は無くなっていた! 小柄な佳代の隣には同じ制服を着ている背の高いハーフのベラちーがいた。二人は重力エレベーターに乗っていた。これがこの時代の登校である。無音でしかし早く、低層の住人を学校がある高い層へ運ぶ。


「ねぇ! 聞いた聞いた?!」学校へ着く早々と質問される二人。

「どうしたの?」

「イケメン先生が来るらしいよ!」キャーキャー! 猿かと言わんばかりに黄色の声。

「ってか、女子校に来る教師なんてロリコンでしょ」ベラちー、口がキツい。


「君が【マーダス・佳代】だね?」

「そういうおじさんはソラリス人かな?」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ