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あやかし妖喜利物語〜転生したら笑点だった!?妖怪笑わせて座布団100枚目指します〜  作者: いもたると


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Dの正体

「うむ、良かろう。お主に免許皆伝を与えよう」

【座布団一枚獲得!総座布団数100】

 遂に座布団100枚獲得した!

「それでは、その座布団100枚をこちらに渡しなさい」

「え、じーさん、何をするんだい?」

 与太郎は座布団100枚をエンチョに渡した!

 エンチョは妖力を解き放った!

 座布団100枚は、一本のヘアバンドに変身した!

「これは制約のヘアバンド。免許皆伝を与えたとはいえ、Dの力はあまりに強過ぎる。そのまま戦えば返り討ちに会うじゃろう。このヘアバンドを使えば、Dの妖力を封じることが出来る」

 制約のヘアバンドを手に入れた!

「それでは与太郎よ。まずはイタバの宿から攻略するのじゃ!」

「師匠、お気遣いありがとうございます。さあ、与太郎、行きましょう」

 ところが与太郎は動かない。

「待ちな、じーさん。俺はちょっと引っかかるところがあるぜ。あんたの家を出て、ここに来る間ずっと気にかかってたんだが、あんたもキセガワさんも、どうしてそんなにDのことを知っているんだ?だってDってのは、正体不明の謎の妖怪のはずだろ?」

「ほう、バカだと思っていたが、ただのバカではなかったようだな。いかにも私はDを知っておる。なぜなら、Dは私の一番弟子だった男じゃからな」

「やっぱりそんなところか」

「奴の名はあべ川ダンゴ。元々は三竜亭ダンゴと名乗っておったが、笑いで人々を楽しませ、世の中に潤いを与えるという私の教えに飽き足らず、自らの力を誇示するためにその力を使うようになった。三竜亭を捨て、あべ川流を起こしその家元を名乗るようになった。奴の心にあるのは、もはや己の野望だけ。師匠として心苦しい限りじゃ」

「そうだったのか」

「本来なら師匠のこの私が始末を付けねばならないところなのじゃが、奴の力はとうにこの私を超えてしまった。そこで異世界より勇者を召喚して、ダンゴを倒してもらうことにした。そなたには悪いことをしたな」

「俺は別に構わねえぜ。どのみち東京にいたっていいことなかったしな。妖怪の世界にいた方が面白いぜ」

「黙っていて済まなかった。頼む、与太郎。この老いぼれのわがままを聞いてくれ」

 エンチョは頭を下げた。

「与太郎…」

 キセガワはじっと与太郎を見つめた。与太郎はしばらく黙っていたが、やがて腰を上げた。

「さあ、キセガワさん。お茶ばかり飲んでたって仕方ありませんや。団子でも串に刺して食ってやりましょう。それじゃ、じーさん。ここの払いは頼むぜ」

 与太郎はキセガワを連れて店を出た。


【妖喜利バトル】

 キセガワよ。今回の与太郎、何かかっこよくなかった?そんなバカな、天変地異でも起きなきゃいいけど。それより今回は敵は出て来ていないけど、やっぱりアレがないと寂しいでしょ?特別に私が相手になってあげるわ。良かったら、みんなもコメント欄を使って楽しんでみてね。

(お題)

 私キセガワを人に紹介してください。私は謙遜して「あら、言い過ぎよ」とかわいく言いますから、更に一言続けてください。

(与太郎の回答)

「こちらが、男を立てて三歩下がって付いて来る、大和撫子の鏡のようなキセガワさんです」

「あら、言い過ぎよ」

「心中するときは注意してください。男が先に飛び込んでも、まだ三歩後ろにいますから」

 …いかにも落語っぽい。

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