少女、友ができる
新キャラが二人ほど出る予感が……!
ご機嫌よう。
私、ルージュ・エペイストと申します。
「ルージュ様ぁ、只今お幾つでしたっけ?」
「十六歳ですが?」
「そうでした、十一年前は、言葉も話せていなかったんですから、苦労したんですよ」
「ちょっ、ミラぁ!その話は止めてって何度も」
「おっと、失敬、失敬」
「もう!」
さて、今日も朝の日課を……って今日から学園でしたかうっかりですね。
私は、今日から、騎士を育成する学園、いわゆる騎士学園というものに行かなければいけない日なのです。
「それにしても、ルージュ様、よく浪漫だけで王国最大のソルダート騎士学園に入学できましたねぇ」
「えぇ、もちろん浪漫だけではありませんが、親が親だからこそ、頑張れた気がして」
「あぁ……」
「持ち物は?、お体は?、言葉使いもお洒落もしっかりとするんですよ!」
「分かってるよ」
「ほらそこぉ! よじゃなくてます!」
「分かっています」
「よろしい。はぁ、これじゃあ先が思いやられますぅ」
言葉使いなんてどうでもいいのに、
「なんて思いましたね!」
「お、思っておりませんわよ」
「ルージュ様は、嘘をつく時、使い慣れてない言葉を使います」
「屋敷の外の女の子は、言葉使いなんて気にしていなかったじゃない!」
「その必要がないからです!」
埒があかない、決着をつけるしか……
「お嬢様、お嬢様、お時間が……」
「へ?」
「あら」
不味い、もうすぐ式が始まってしまう!
「ルージュ様! パンを差し上げましょう」
「なんで!?」
「私の勘です!」
「なら、要らない」
「ルージュ様ぁ!」
◆ ◆ ◆
どうにか、間に合ったようですね。
途中、パンを咥えた男性とぶつかりそうになりましたが、うまく避けることができました。
「あっあのまだ大丈夫ですか?」
「ああ、大丈夫だよ」
よかったぁ。間に合ったぁ。
「じゃあ、あっちの門に貼られている番号のところに座ってね」
「はい!」
「元気だねぇ」
えーっと、三十三番ですね。
ここですか。
「こんにちは!」
「こ、こんにちは?」
誰でしょう、この方は?
「私、ユアンって言うの、宜しくね! あなたの名前は?」
「ルージュ。ルージュ・エペイストよ、宜しくね」
「エペイストって、あの英雄の!?」
「うん、そうだよ」
「うわぁ、エペイスト家の人が来るって聞いてたけど、もっと怖い人だと思ってたよぉ」
「え゛? 私が来るってみんな知ってるの?」
「知ってるの」
「知ってるのかぁ、そっかぁ」
「嫌だった?」
「うーん、嫌ってわけじゃあないけど」
「これより、ソルダート騎士学園、入学式を行う」
すごい、声が全体に広がってる!
「ソルダート騎士学園、学園長の御言葉である。心して聞くが良い」
「諸君!、ソルダート騎士学園学園長スフィーダだ! 諸君らは、この国の騎士を目指してここにいる。
それで間違いは無いかな?」
「ならば、問おう! 諸君らにとって、騎士とは何か! 国を守るものか? 国を攻めるものか?
民と寄り添い、共に歩むものか? 私は、この答えを諸君らに求めている」
騎士とは何か……
私の思う騎士とは……
「答えが出る頃にはきっと、己が志す騎士になっていることだろう!」
「私達は、諸君らに剣を教える。知識を与える。だが、騎士とは何か、それを教えることは出来ない。
そのことについては、己の手で掴み取るものだ!与えられるものではないということを肝に命じてほしい。
以上だ!」
騎士とは……
◼️め◼️こんで◼️る◼️をただ◼️すもの。
「ルージュ? どうしたの? そんな怖い顔して」
「ご、ごめんユアン」
「んー、いいよ。誰にだって悩みはあるんだから」
「そう、だね、ありがとう、ユアン」
「ふふん、もっと褒めるがよいぞ〜」
◇ ◇ ◇
不味い!この僕が遅れてしまうなんて!
朝御飯を食べる時間がなかったからパンを咥えてみたけど、食べれるものではないな!
この曲がり角を曲がれば、大通りに出るはず!
「む!?」
「きゃあ!」
ぶ、ぶつかる!
「あれ?」
先ほどの紅い髪の少女は?
もしや、あれは僕の前に現れた天使!?
っと、早く行かなければ!
「おう、坊主、ギリギリセーフだな、今日は、自分の運に感謝しとけよ」
「えぇ、もちろんですとも!」
この日、彼の学園生活が幕を開けたのだった……
(それにしても、あの子可愛いかったなぁ)
新キャラは、活発な女の子 ユアン!と名も無き少年でした。
ユアンちゃんは、この話の前から考えていたキャラで、とってもクセのあるキャラとなっております。
今のところ、ミラちゃんが好きかなぁ。
皆様はどうでしょうか?