神の奴隷です
トンネルを抜けたその先は雪国だと良かった。辺り一面真っ白で雪国にも見えなくはないがあまりにも殺風景でどこまでも続いていた。
ふと急に田舎の両親の顔が見たくなり仕事もまとまった休みが取れたため思い立ったが吉日とはよく言ったもので私は車に乗り田舎を目指した。特に何も変わらない日常に飽き飽きしていたのかもしれない。年甲斐もなく少しばかりのスリルを求めて神隠しが起きると噂のトンネルを通った。
トンネルを抜けたその先は何もない。まさか本当に神隠しに会うなんて…おじさん年甲斐もなくはしゃいでしまいそうだ。テンプレだとここで神様でも出てくるのだろうがどうだろう?目の前の空間が急に歪み始めそこには《貴方にはこれからあるところに言ってもらい依頼を解決してもらいます。初回サービスです、要望をどうぞ。》
「何で私がそんなことしなければいけないんだ!」一応怒っている感じを出して相手の譲歩を引き出そう。
《要望を確認しました。理由はただ単に何となく神の気まぐれです。それでは依頼者の元に転送します。》
私は開いた口が塞がらなかった。まさかそんなことが要望になってしまうとは…光がなくなっていき私は暗闇に飲み込まれた。
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辺りが明るくなった。騒がしい。回りを見渡せばそこには醜い人のような豚が王冠を被り、回りを兵士達が囲んでいる。これは本当に異世界に来てしまったらしい。チートな能力はなくてもなんとかなる筈だ。そう自分を励まし相手がどんな依頼を言うか待っていると
「フゴフゴ」
…どうやら神様は鬼畜らしい。異世界の言語がまったくわからない。
続く