表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

こっち見んな

作者: もっちー

俺の名前はチェン。8才だ。職業は想像にお任せする。中国出身で仕事の都合上今は日本に来ている。

毎日欠かさず飯がもらえておまけに寝床まである、なんともありがたい待遇だ。

だがそのぶん仕事は辛い、何が辛いって精神的に辛い。考えてみてほしい。

毎日毎日飽きもせずやっくる日本人(たまに外国人もいるが)に物珍しいそうに好奇の視線にさらされる光景を。

しかしこの仕事をしているやつが他にもいる。最近知り合ったマインちゃんというブラジル出身の子だ。この子は気が荒く縄張り意識が高い。だが自分より上の立場のやつに対してはとても従順だ。他にもライオネルとサーシャがいる。こいつらはアフリカ出身で恋人同士だそうだ。いつも一緒にくっついている、こんな仕事場で女もちとはたいそうご身分のたかいことで。

他に同業者がいるおかげで何とか毎日過ごしている。でもこれが本来の俺たちの姿なのか疑問に思うことがある。

母国には父と母がいて毎日伸び伸びと暮らしていたのにいきなりつれてこられたかと思えば、こんな仕事をしている。別に金がもらえるわけではない。もとより必要ないがな。ただ会えなくなった父と母を思い出すと胸が苦しくて仕方ない。

チクショウ、こんなときでも笹の葉は苦いなんて。早く帰りてえよ。




「ママ、あのパンダさん泣いてるよ?」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 動物もきっと色んなこと考えてますよね。特に動物園の彼らなんて、他にもまだまだ不満を抱えていそうです。
[一言]  正直、五行目あたりで何となく落ちが読めたけれど、それを含めても面白かった。人間の理屈で動物を拘束しているけれど、彼等にも彼等の生活があるってことが伝わってきました。チェン君にもお相手がいれ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ