第二話 死んだはずの田上龍斗はどこへいくのか
この話はチュートリアル(?)の前編です、後日投稿予定の第三話に繋がります!
気が付いたら、この、広場のような所に立っていた。
それは比喩ではなくて、本当のこととしか、言いようがなかった。
あの時自分は石に頭打って死んだんじゃ…
「どこなんだ!!個々は!?」
誰かが叫んだ。咄嗟に声の方を向くと、二十歳くらいの青年が叫んでいた。
「俺はあの時たしかに――――」
自分より動揺している人を見ると冷静になるらしい…というのは本当だったようだ、おかげ(?)で少しだが落ち着いた。
よく見るとその青年の他にも、この広場のような所にたくさんの人がいた。
その人達もこの状況が分からないらしく、さっきの青年のように喚き始めた。
自分の記憶の一番新しい部分は、あの、床に倒れて赤いシミを作った所だ。それからの記憶がない。普通に考えれば、ここはあの世なのだろう。だがこの広場はヨーロッパの中世のような作りになっている。
それに自分の体に変化はない、と思う―――――そう考えてた時凛とした声で――――
「私だ。」
脳内に直接響くような声だった。音程は女だと低い、男だと高い、性別が分かりにくい声だった。
「あ…あれ見ろ!! 」
そうやって誰かが叫び、指をさした先には、空中で人が立っていた。
金髪の服の少年だった、身長は155くらだと思う…遠いから正確ではないが。
少年の服装は金色のロングコートで、緑の刺繍がされていた。
この現状では彼が喋っているようにしか、思えなかった。彼が俺たちをここに連れてきたのか、そう思い俺は生唾をゴクリッと飲み込み、そして――――
「あれ、皆緊張してる?ゴメンね♪さっきのはナシナシ!もっと気楽にイコー♪」
ズッコケそうになった。…さっき緊張した俺が馬鹿だった。てっきり大ボスっぽいのかと思ったら彼の見た目にあった、幼い、そしてふざけたような感じだ。
「おい!ここはどこだ!!テメェが連れてきたのか!? 」
誰かが怒鳴った。
「そうだよ、皆を、ここに連れてきたのはボクだよ♪」
「どういうことか説明しろ!!そして帰らせろ!!!」
それに便乗するように――――
「そーだ!!そーだ!!」「帰して!!」「ここから出せよ!!」「出してぇぇぇぇぇぇ!!」
ここにいるほとんどの人間が叫んだ。叫びは一向にやむ気配はない。マズイ! これではアイツの話を聞けなくなってしまう――――――――
「君たち、うるさいよ」
その瞬間時間が止まった――――ように感じた、アイツの一言で皆の叫びか消えた。
当然だ。彼の一言を聞いた途端、首元に冷たいナイフを当てられた気がした。所謂殺気という奴だ。俺は震え上がり、尻餅をついた。
――――なんなんだよアイツ!!?――――
頭の中が恐怖という感情でいっぱいになった。早くこの場から逃げ出したい、と思った。だが尻餅をついたせいで動けない。
「なんて、冗談だって♪ ジョーダン♪♪」
アイツはそういったが、そんなことを信じる奴はいなかった。
――――アレは本物の殺気だった――――
「じゃーあ、いまからちゃーんと説明するから、よく聞いてね? 君たちがなぜここに呼ばれたのかを♪」
たくさんの人がいるのに異様なまでに静かなまま、アイツは喋り始めた。
一話に引き続いて読んでくださった方、また二話から読んだ方、読んでくださってありがとうございます!!次回の後編「田上龍斗達がここに来た理由は何か」
です!