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何故なら俺が神だから……  作者: あきたけ
意識レベル
6/8

「おおっ。なかなかグッドじゃないか。誠くん。実のところね、人間の平均値は約2000なんだよ。で、悪い人だと200くらい。5000を超えるのでも至難の業だ」

「これは、ドコで手に入れたの」

 俺は目を丸くして聞いた。

「念力」

 彼はドヤ顔をしながら、堂々と答えたのである。

「はあ。作ったと、言うわけですね」

「その通りだよ。まあそんなことはさておき、俺が知る限り、ドコまでも霊力は上がるね」

「そうなんだ」

「そうだそうだ。これを宅配便で送る事にするよ」

「じゃあ、住所を……」

「必要ないね」

「なぜ」

「もう判っているからね」

「そうだった」


 三日後、宅配便であの腕時計が届いていたわけである。一見するとカナリ高級そうな腕時計だ。ドコのブランドであろうかと思われるが、中身は俺の霊力が数値化されているだけのようで、友人から「どうやって読むの?」と言われた時の答えに迷いそうだ。

 ふと、目をやると俺の霊力が2000になっていた。「これはどうしたものか。俺の霊力がさがった?」と、思った。

 だが、気分の良いときに限って6000になったり、怒っているときに限って1500になったりと、振れ幅が大きい。さては壊れたのかもしらん。と。


 で、ここで新たに新発見があった。それは俺の気分に比例して数値が変わることと、どうやら瞑想している時は数値が7000になること、まったく荒唐無稽に数値は動き回っている訳ではないらしく、一定の規則にしたがってその数値を指し示しているという事だ。

 で、他人をバカにしているときは1750。ホラー映画を見ている時は1000、これは恥ずかしい体験だったと感じるときは200。そして散歩している時の数値は8000となかなか良い感じに振れるのだ。


 と、俺はふとした瞬間に心霊スポットに行きたくなるのである。霊の怪奇が渦巻く魑魅魍魎の混沌の中に、一つ足を踏み入れて、その狂気がいかほどかと、身体が経験を積みたいと、魂が叫ぶのだ。


 で、夏休みを利用して、ただ一人で心霊スポットへと行くことにした。

 まるで怖いという感情は無かった。負の感情に支配されたその魑魅魍魎を地獄のそこから救ってやろうという慈悲のような感情が芽生えたのだ。はては、この感情は危険なものではあるまいかとの考えが頭を過ぎったわけであるが、腕時計型霊力測定器は見る見る上昇するのであるからして、大丈夫だと、客観的判断ができるのだ。


 そして、時は来た。夏休み初日のたそがれ時の事であった。俺は電車に揺られて、例の心霊スポットに行くのだ。ネットやら何やらで調べた挙句、一番ヤバそうな所にしようと決めたのである。

 

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