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第3話の1

 二年間、香と一緒に住んで分かった事、いや住む前から予想はついたがかなりの我儘娘である。

 僕の意見など完全無視。唯一話が通るときは、たまに遊びにくる汲凪さんがいる時だけだ。

 はっきりいって一人のが楽だが、一人で生活するすべを持たない僕にはどうしょうも無いと諦めている。 手伝っている仕事はと言うと、自分で言うのも何だが―――いや、誰も言ってくれないのであえて自分で言ってしまうが探偵としての能力は十分あると思う。才能ってやつだろうか。

 母と妹―――大体の事はつかめた。

 と汲凪さんが言っていた。僕は直接調べることはさせてもらえず仕舞だった。 理由はお前は弱いからだそうだ。

 いつだったか「あなたは貧弱なんだから身を守るものを持たないと駄目だわ。いつか死ぬ―――いや今から死になさい!」なんて香に言われナイフを一本貰った。

 このナイフ。昔、汲凪さんが使っていたらしく型が独特だった。

 刃渡り十センチ程度の三日月状の型をしており、内側に折り畳める構造になっている。型が型だけに突いても――てか突けないので殺傷能力は無く、完全に斬る、裂くに特化したナイフだ。

 とは言っても護身用に装備しているだけであって、今まで一度も使用した事はない。

 この場合の使用は対人にと言うだけでナイフ事態はお菓子の袋を開けたり、毛玉を取ったりと生活品としてはかなりお世話になっている。それはそれで良い事なんだろうけど……

 探偵としての仕事もそこそここなしてきた。

 犬の散歩、迷い猫、浮気調査etc……

 イメージしてた探偵の仕事とは違うものも多少あったが、僕に断る権利はなく、強制労働を強いられた。―――ま、楽だったけど。

 それらと平行して家族捜しもしているが、何も成果は無い。

 と言うか、はっきり言って『二兎を追うものは何とやら』で僕は、僕自身が家族の事を探れる時間など余り無く、ほとんどは香にまかせっきりなのが現状である。

 2年前までは色々会ったときの事なんかを考えてみたが、今は―――このままの生活が続いてくれても―――とも思えるようになった。

 しかし、そうはさせん!とばかりに扉を勢いよく開き―――香が立っていた。

「見、見つけたわよ!」


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