第二十話 決闘前
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「大丈夫だったか!」
先輩が謎のスライムを倒してから数分後先輩と同じくフロウに呼ばれたであろう先生が数人やって来た、証拠にその中にフロウの姿がしっかりある。
「ここにいた魔物は?」
一人の先生が周りを警戒する様に見回しながら聞いてきた。
「俺が始末しました」
先輩が手を挙げて答える。
「死骸はどこへやったのだ?」
先生はさらに質問するが先輩の魔法によって跡形も無くなったので、死骸など出ていない。そう説明すると先生達は少し困ったように顔を見合わせる、そして一人白衣を着ていた先生が先輩に言った。
「死骸を解剖すれば正体が分かったかもしれんのになんで跡形もなく消してしまったんだ?」
「えっ!それは・・・ははは」
まさか怒られると思っていなかった先輩は少し驚いたあと、居心地が悪そうに愛想笑いを浮かべ頭を掻く。
「全く・・・」
「君たち二人に怪我はないか?」
死骸について聞いてきた白衣の先生は魔法生物学の先生だろうか。正体がわからないことに少し残念がっているようだ、それを苦笑いしながら見ていた他の先生が俺たちに怪我はないかと聞いてきた。
「いたって健康です」
「大丈夫です」
それぞれ答えると安心したように。
「それはよかった。よく頑張ったね」
と褒めてくれる。
「それにしてもフロウから見たこともないスライムだと聞いたが一体どんなスライムだったのだ?」
「一つ目の人の形をしていました。後先輩に対して魔法を撃ってましたね」
「「「魔法!?」」」
先生達が揃って復唱する。魔物は大抵知能がないしましてスライムなど脳がないので魔法は撃てない、まあその代わりに身体強化に魔力を割いているんだけどね。
そんなスライムが魔法を撃ったということはスライムに脳があった可能性が出てくる、人間の大きなアドバンテージである知性を持ったかもしれないということだ。
先生達はそこを良く理解しているので皆もしそうだった時のことを想像して苦い顔をしている、ただこんな時に少し悪いと思うけど俺は急ぎ用事があるのでここで帰らせてもらいたい。
「すみません、僕ちょっと火急の用事があるのでここで帰らせていただきます」
「え!?ちょっとまだ聞きたいことが・・・」
「勇星に聞いてください、僕と一緒にいたんで。じゃ!」
これからある用事とはそう、レジエとの決闘である。すでに時間は後少しとなっており、これをすっぽかすと凄くめんどくさいので先生達にはすまないが行かせてもらう。そう心で謝って俺は全速力で走り出した。
「あ!鶴金くん!」
先生達が呼び止めようとするが《身体強化》でその声すら振り切って走る、やばいこの時間だともしかすると間に合わないかも!
「あいつ足速くね?」
後ろでそんな先生の声が聞こえた気がした。
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間に合わない!って思っていた時期が俺にもありました。
「もう着いた・・・」
あれ?俺の計算ではギリギリかそれに近いはずなのに・・・まさかもう終わったのか?全くと言っていいほど人がいないぞ。
「あ、勝義!」
「大丈夫か?」
「は?」
俺を見つけたレイナと凪雲が駆け寄って来て心配そうな目で見てくる、まさか俺がレジエに負けるとでも思っているのか?
「そのことは心配なんてしていませんわ」
「なんか強そうなスライムが出たんだろう?」
「ああ、あいつは先輩が即殺した」
「「え?」」
本当の事を言ったのに聞き返される、別に俺はいつもいつも暴れているわけじゃない!てか本来なら普通の生徒なの!
「以外・・・ですわね」
「あ!これあげる」
唐突に凪雲から長いものを包んだ包みをもらう、もしかしてこれって!
「剣ができたぞ!」
「おお!開けても良いか!?」
「どうぞどうぞ。早く驚く姿が見たいな!」
包みを開くとそこには漆黒の剣が一振り入っていた。俺が適当にデザインして渡した通りの形、禍々しい形だがその魔力は水面の様に静かに揺れている。
「え、凄いこれ!」
「でしょ?でしょ?」
それにしてもまさか本当に魔剣になるとは。
「どこで作ったんだ?」
「学校から工房を借りましたの」
「へえ、でなんでレイナは顔色が少し悪いんだ?」
「す、少し・・・」
実はその時レイナは工房で見た製作時の衝撃的な光景を思い出していた。
『君はまだまだいけるよ!』
ガンッガンッ!
『良いぞ、やはり君には見込みがある!』
カンッカンッ!
(なんでこの方は鉄に語りかけているのでしょう?)
『アハハハハハハハ!』
(こ、怖すぎますわっ!)
そんな事勝義は全く知らない。
「銘はなんて言うんだ?」
「黒蓮華」
「黒蓮華!」
「その名前は私が考えましたの」
黒蓮華か・・・無茶苦茶格好良すぎて俺の封印されし心が開きそうだ。そんな厨二心は置いといて、それにしてもレイナのネーミングセンスが輝いているな。
「この剣でレジエがレイナに絡まないよういっちょ決めますか!」
「本当にお願いしますわ」
「おう、任せろ」
先生から許可をとって借りたという闘技場へ入り選手控え室へと入る。
「ふっ、覚悟は決まったかな?」
そこには勿論レジエもいる。
「ああ、すぐにぶっ倒れないようにな」
「何を言ってるんだい?僕は戦わないよ?」
「は?」
こいつこそ何を言ってるんだ?決闘だろう?
「その顔だと知らないようだね、全くこれだから和人はダメなんだ。マナーさえ知らない蛮族め!」
「なんだ、もしかして決闘代理人ていうやつか?」
「正解!なんだ多少頭は回るようだね」
決闘代理人なんて立てて恥ずかしくないのか?やはり『貪欲の貴公子』の名に恥じぬ執着、それにレイナのことを手に入れることしか考えてない自己中っぷり。ちょっと怒りが湧いて来たな、そっちがそう来るんだったらもういい。
「決闘代理人だろうと結婚大移民だろうといいもう俺は怒った!どんと来い!」
俺は控え室を飛び出し闘技場の通路を通りフィールドへの一本道を走る、闘技場に出ると陽光が刺してくると同時に割れんばかりの歓声が闘技場を震わせる。少しあった不安もさっき啖呵切った時に吹っ切れた。
よし、勝負開始と行きますか!
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