第十五話 不注意
肺炎になってて投稿が長い間止まってました!すみません!
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ドラゴンゾンビと襲われてる女の子との距離はまだ少しあるが、女の子は恐怖で腰が抜けたのか動けない。
(横に思いっきり蹴りを入れるくらいの時間はある、一回距離を離してから倒してやる!)
と意気込んでいた俺はふと思い出して急停止した。もともと入学してから目立ちたくないで過ごして来たのに今そんなことしたらどうなるか。
(いきなりドラゴンゾンビ蹴り飛ばすのはダメか)
ドラゴンゾンビの脅威度のランクは推定Sランク、SSSクラスの奴ならまだしもAクラスの俺がぶん殴ってしかも仕留めたとするとどうだろう?流石にこれ以上の人に実力を知られると困る。
(作戦変更だな)
一瞬で思考を終わらせ考えたのは魔法を遠距離から撃って誰がやったか分からない様にする作戦、そうと決まれば魔法の準備だ。威力が高くて遠くまで飛ぶ魔法、属性は火でいいと思う。
【魔法大全】にこの情報を入れ検索して出た魔法は《業火息吹》、名前からしてヤバそうだがあまり時間がないのでさっさと撃とう。
「《業火息吹》」
ここで俺は間違いをいくつか犯した。俺が撃とうとした魔法は術者の周りを巻き込まず敵に着弾すると同時にエネルギーを解放する魔法、それに対して俺が撃った魔法はというと・・・
(魔法間違えたああああぁぁぁ)
俺の前方に一直線に広がる更地はまるで道の様、目標のドラゴンゾンビは消し去られそこにいるのは驚きに固まる女の子だけだった。俺の撃った魔法は撃った方向の直線上の物を全て吹き飛ばす殲滅魔法であった、そして勿論こうなることを予想していなかった俺は隠れることもできず・・・
(あっ・・・)
バッチリ女の子と目が合ってしまったのだった。
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数分後
「ふんふん、なるほど森の探検に来てたのか」
「そうなんだよ!そしたらいきなりあいつが飛び出して来て!」
「へ〜災難だったね」
今俺たちは互いに情報交換している。この子は一年生で曰く、この学校に来て間もないので探検しようと思ったのだとか。で、森の探検をしてる途中にドラゴンゾンビが飛び出して来たと。ドラゴンゾンビが引き寄せられるってことは相当魔力を持ってるのか?
「あ、自己紹介遅れた。あたしは凪雲!よろしくな!」
「鶴金 勝義、こちらこそよろしく」
「あ〜!鶴金って風紀に捕まったって言うあの!」
もうその噂が他クラスに広がってるのか!それにしても不名誉すぎる!
「まあ・・・そうです」
「随分面白いやつなんだな!」
側から見ると面白いやつなのか俺って?
「あ、勝義!連絡先交換する?」
「え!」
「何でそんな驚くんだ?」
そんな!記憶にある俺も前世の俺も女の子と連絡とってなかったぞ!どんなこと話せばいいか分からない、ただここで断るのもハードルが・・・
「い、いいの?」
「そんな恐る恐る言わなくてもいいぞ!」
「あ、じゃあ遠慮なく」
「さっきまでの葛藤どこに行ったんだ!」
いいならお言葉に甘えて!わーい、女子と連絡先交換できた!ただ皆やっている事ではあると思うんだけど。少し悲しくなってくるな、こんなことで喜ぶくらい女の子と関係なかったのか・・・
「あたしは探検続けるからお別れだな!それか勝義も来るか?」
「いや遠慮する、あと俺の魔法は秘密ね」
「分かってる分かってる、命の恩人の言葉なら聞くって!」
始めはバレない予定だったんだけどなあ・・・何であの時あの魔法を選択したかな。
(主・・・もしやバカか?)
くそ、フロシキが煽ってくる!あまり言い返せないのがまた・・・
「んじゃまたな〜!」
「おう、またな!」
感じの良い元気な奴だな、そしてぽろっと秘密をばらしそうでもある。
(女の子から連絡先貰ってこっそり喜ぶ・・・もしやむっつりか?)
(うるせー!むっつりの何が悪い!)
(主が意外な姿を見せてくれて嬉しいぞ)
(そっちこそ変態か?)
フロシキと会話しながら俺は再び訓練に戻るのだった。
ーーーーーーーーーーーーー戦場ーーーーーーーーーーーーー
キンッ
ガキンッ
絶えず金属の当たる音が鳴り、濃い血の匂いが鼻を刺し雄叫びが耳を劈く。
「そっちは殲滅終わったか?」
「終わりました!」
騎士師団第三千二百六小隊小隊長は部下の元気な声を聞いて安心した、彼の下には十九人の部下がいる。死傷者の多いこの戦場で部下十九人が揃っていると言うのは奇跡に近かった。
「こっちの魔族少し強いのがいて手間取ってる様です、一小隊では持ちません!」
「よし!応援に行くぞ!」
隊長の指示で周りにいた隊員達はその方角へ移動を開始した。そして悪夢は突然やって来た。
ドォン!
「こんにちは。今日は暇だったから来てみたよ」
「!?」
空から人が降って来てまず言った言葉がそれである、小隊のものは皆立ち止まった。否、動けなかったと言う方が正しい、人は圧倒的恐怖の前には動きを止めるらしい。
「ボクは魔王様直属の配下十三夜の三夜『隷』って言うんだ!よろしくね!」
彼女は自己紹介をしゆっくりこちらに手を伸ばす。その瞬間小隊のものは皆絶望に顔を染めた、彼らは彼女の圧倒的な気配で動けないまま各々が恐怖を顔に浮かべていた。一人を除いて。
「うおおおおおおおぉぉぉぉ!」
小隊長は唯一恐怖から抜け出した。
(小隊の仲間を守るんだ!それに・・・)
彼の脳裏に浮かんだのは国において来た妻と子供の姿、彼はその強い意思で剣を振るう。小隊の仲間達は彼の死を確信した。
ガッ
やはり彼の剣は『隷』の手で簡単に受け止められる。しかし反撃は来ない、『隷』は小隊長の剣を片手で止めながら不機嫌そうに聞いた。
「何でボクの恐怖から抜け出せるわけ?まさか君も子供がいる?」
「そ、そうだが」
その結果を聞いた彼女は少し考え再び聞いた。
「子供を持つと強くなるの?」
「ああ」
一応成り立っているこの会話は完全なすれ違いをしていた、片や小隊長は精神論、片や『隷』は物理的。
「ふむ、今日は一旦帰るか。ふふふ、面白い研究になりそうだ」
『隷』は何を思ったのか小隊長の剣を離して宙に浮かんだ。
「今日は見逃してあげる」
そう言い残して彼女は魔国方面へ向かって飛んでいった、小隊長とその隊員達は恐怖から解放された安堵からその場へ崩れる様に座り込んだ。
ーーーーーーーーーーーーーゲハイメニス城ーーーーーーーーーーーーー
今日も『飢』と『怪』は学園攻略の方法に頭を悩ませていた、その時だった。
バンッ
扉が大きく開かれた。そこに立っていたのは魔族なら誰もが恐る『隷』である、何をしに来たのかは分からないが『飢』と『怪』の間に緊張が走る。彼女は口を開いた。
「子供ってどうやって作るんだ!」
『飢』は唐突に言われたその言葉に、恐る恐る飲んでいた紅茶を勢いよく吹き出した。興味深い物を研究したがる『隷』の暴走がまた始まる・・・『飢』はそう悟った、ただその後『怪』の必死の説明により事なきを得たのだった。
(『怪』がいて本当によかった)
『飢』は心からそう思ったのだった。
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