第十二話 俺の苦手なスカした奴
PVが1000を超えた!やった〜!これからもお願いします!
風紀委員会の騒動があった次の日の朝である、俺たちはいつものメンバーで約束している場所に集まった。
「おっす!おはよっす!」
俺は昨日のテンションのまま元気よく挨拶をした。
「なんか勝義がご機嫌だね」
「ちょっと引きますわ」
ふむ、扱いが酷いな。そもそも何でこんな機嫌がいいのかと言うと、昨日勇星とレイナと別れた後に彼女と会えたからだ。
「いや〜昼に別れた後ちょっとね」
「昼頃から少し元気だったのはそれのおかげだったの?」
勇星は俺が昨日いきなり元気になったので不思議がっていたらしい。何があったか話すのもいいが、彼女を二人に紹介する必要があるので学校についてからの方がいいか。
「そゆこと、勇星とレイナは何してたの?」
「・・・!」
「まあちょっと、そうですわ」
勇星が目をカッと見開きレイナは視線を逸らして自分の頬を掻く、ゲームの中だと選んだヒロインによって勇星のイベントは変わるはず。レイナの方はは分からないが反応から察するに二人とも何かはあったのだろう。
「時間はあるし、学校に向かいながらゆっくり聞きますか!」
学校まで歩きながら二人の話を聞いてみるか、まずはあからさまな反応を示していた勇星から。
「昨日生徒会に声をかけられたんだよね」
「「生徒会!?」」
俺とレイナの声が被った。
「うん」
「バッジは?」
勇星を信じてはいるが一応確認のために判断基準となるバッジがあったか聞いてみる。
「勝義が教えてくれた通り、ちゃんと芹の花だったよ」
芹の花を着けているなら確定で生徒会か・・・あれは複製できないようになっていたはずだし、そもそも生徒会の名を騙るバカは学園内にいないか。
「まじか・・・」
「すごいですわね、どう返事したんですの?」
レイナが興味津々で勇星の回答を聞く。
「断ったよ」
「「え?」」
「いや、だってすごく強引だったんだもん」
強引?今の時期の生徒会で強引なのはあの人しかいないな。
「あー・・・まさか黒髪のすらっとしたお姉さん?」
「え!何で分かるの!」
はい確定です!
「やっぱり」
「誰ですの、その方は?」
「生徒会長だな」
「「生徒会長!?」」
なるほどねー。魔族さえも圧倒する勇星の力を生徒会の物にしたかったわけか、二学期から七草会に入れるようになるから生徒会の下部組織化している公務委員会にでも所属させようとしていたんだろう。まだ初期だから頑固な性格がしっかりあるんだな、まあ後々蹴りをつける時が来るだろうな。勇星が。
「でレイナは何してたの?」
「わ、私ですの!?」
一番言いにくそうにしていたレイナに昨日した事を聞いてみると・・・
「こ、公爵の息子をぶん殴って顎をかち割った!?」
「ずいぶん派手にやったね」
勇星が冷静なのは何で?いつも引くほど冷静な勇星が怖いな、昔プレイしてたときはそんな事思いもしなかったけど。てかレイナが殴るほど怒るような事をする公爵の息子ってもしや。
「公爵の息子ってあの『貪欲の貴公子』レジエ・ハイゼルか?」
「そうですわ・・・」
「なら仕方ない」
このやり取りだけで絶対変な事されたんだってことは分かった。
「何でその人なら仕方ないなの?」
「勇星は知らない?レジエ・ハイゼル。自分の欲しい物があれば権力、財力、人脈、全てを使って取りに行く、そんでついた二つ名は『貪欲の貴公子』ってわけ」
「へぇ〜、で何で殴ったの?」
「アイツ・・・あの方が『レイナよ僕の嫁になれ。強く、美しく、立場もあるお前は僕の嫁になる資格がある』と言いながら私に抱き着こうとして来たのでつい・・・」
へ?え?気持ち悪・・・それは本当に殴っていいと思う。
「それで今日ハイゼル様に謝れと父上が・・・」
「・・・勇星、この国と戦争して勝てる算段は?」
「君一人でいけると思うよ」
「な、何でそんな物騒な話になるんですの!」
相手がそんな尊厳を傷つける真似をしたのになぜこっちが謝る必要があるんだろう?相手が権力振りかざすならこっちもそれなりの力で対抗してやろうじゃないか。
「貴方がやると冗談無しで国が飛ぶんですのよ!?」
「それはそう」
勇星もうんうんと深く頷く。
「で、でもさ、許せないじゃん」
「・・・なら私の付き添いで昼に来てくださらない?」
「!・・・喜んで!レイナ様!」
「その言い方やめてくださらない?」
よし、相手が変な事しようとしたらぶっ飛ばそう!そう心に誓って俺は校門を潜った。
「おはよう!!!」
アルファは今日も声がデカかった。
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昼休みになった。
「ふう、哀れな君に最後のチャンスをやろう。僕の嫁になれ」
うぜえええ!レイナの付き添いで来たは良いものの今目の前にいる奴をぶん殴りたい、回復魔法で治したと思われる完治している顎をもう一回割りたい。
「私は謝りに来ただけで婚約したいわけではありませんの」
「いやいや、わざわざこの僕を探してくれたって事は僕の事が大・好・きなんだろ?」
「・・・」
レイナは親の立場があるので何も言い返せないのか?権力を持っている無能ほど面倒なものは無いな。よし、俺がいっちょ言ってやるか!
「ハイゼル様、申し上げたい事がございます」
「誰だお前?」
「鶴金勝義と申します」
「はっ!もしや貴様、この国の面汚しか」
はぁ〜面倒くさいな。こう言う輩が一番嫌いだ、まだ差別引きずってるのかよ。
「レイナ様は自身より強き者を好みます。そこでまず家臣の私と戦って勝てば婚約をする、と言う事でどうでしょうか?」
「ふむ・・・この僕が和人如きに負けるはずもないからな、良いだろう」
「ありがたき幸せ」
「よしよしこれでレイナが手に入る」
こいつ・・・決闘では絶対に負けらんないな、やはりと言うべきかレイナのこと物としか思っていない様だ。
「日時は今週の金曜日。しっかり準備するんだな」
そう言って彼はお供を連れて去っていった、金曜日・・・今日も合わせて三日か。準備は要らないけどせめて剣だけ作ろうか?
「元からぶっ飛ばすつもりだったんですの?」
「いや、態度によって変わったかもな」
「ちょっと同情しますわ」
「ありがとう」
「いや貴方じゃなくて・・・」
タタタタタタタタタ!
その時誰かがこちら目掛けて走って来る音が聞こえた、気配の感じ多分彼女だろう。足音は俺の少し後ろで止まりダンッという踏み込み音を最後に数秒消えた、数秒の間の後俺は誰かから凄い勢いで抱きつかれた。レイナの方を見ると驚きに固まっている。
「昨日はありがとうな!勝義!今日も元気か?」
抱きついて来た彼女は言った。
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