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太陽の覚悟

ーーーー敵襲の数時間前。



誠真さんから焦った声で連絡が入った。


「小屋の周りに誰かナノチップをつけた人いない?

トキさんの近くにGPS反応がある!」


この小屋でGPS反応?

政府にこの場所がバレた!


スミさんと空翔は小屋の外を見に行った。

他のみんなは、トキさんの寝ているところへ行った。

しかし、そこには誰もおらず、トキさんだけだった。



「ど、どうした?」

トキさんは、一斉にそばに来たことに驚き、尋ねると


「ここにGPS反応があるって誠真さんが」


舞華も大地もティアラと帽子を被っている。


それ以外にGPSを発信出来るものなんてどこに?


すると、トキさんが頭を掻き出した。

そこから小さな粒がコロンと落ちてきた。


それはGPS発信器だった。



「クソ!ケントやられた!」

トキさんは悔しそうに言った。


誠真さんがトキさんに

「このGPS反応、昨日はなかった。

なのに、つい数時間前に現れたんだ。

そんな事出来る?」

と聞いた。



「あぁ、これは装着したものの意識があればGPSが発動する。

昔、テーマパークの迷子用に開発されたものだ。

今じゃ、ナノチップがあるから使用しなくなったけど」

悔しそうに答えるトキさん。



「小屋にケントさんか警察か政府関係者が来るのは、時間の問題だと思う。

みんな、すぐに逃げて」

誠真さんが冷静に声をかけた。



「トキさんは目を覚ましたばかりで足もケガしてるから、早く安全な場所に避難しましょう」

とばあちゃんが心配そうに言った。


「トキさんが捕まっちゃうの?」

と蓮樹が心配そうにトキさんにしがみついた。


トキさんは少し考え、

「大丈夫だよ、蓮樹。

俺はそう簡単捕まらないよ。

今までだって、必ず帰って来てただろ?

お前はばあちゃんと先に安全なところで待っててくれるか?」

と優しく言った。



『一緒に行かないの?』と聞きたそうな顔をしていた。

蓮樹は頭では納得してなかったかもしれない。

でも、小さく頷きながら、トキさんからゆっくり手を離した。


悔しそうにしている蓮樹の頭をポンと優しく撫でるトキさん。


「絶対帰って来てね!待ってるからね!」


そう言って、蓮樹はばあちゃんのそばに行った。



トキさんは

「スミ、悪いがみんなを車に乗せて避難してくれるか?」

と依頼し、スミさんはすぐに車の準備に向かった。


その間に、必要なものを全員でまとめる。

もうここには帰って来れない。

その覚悟だった。


荷物をまとめる間に、俺と舞華、大地、空翔、奏さん、スミさんは決意を固めた。



そして、準備中のトキさんに

「トキさん、今いい?」

と聞くと


俺に背中を向けたまま、

「あんまり時間ないから、あとでいいか?晴希」

突っぱね返された。


その背中に

「トキさんは、一人でここに残るつもりかもしれないけど、そんなの許さないから!

怪我人は大人しくしててもらえますか?

この場は俺達に任せて下さい!」

と言い切った。



トキさんが振り返ると

晴希、舞華、大地、空翔、奏さんが立っていた。


その姿にトキさんは

「ははっ。

いつの間にそんなに頼もしくなったんだよ?」

と笑った。



「笑い事じゃないんだ!

俺達は真剣に…」

と言っていると、トキさんは被せるように


「ただ事じゃ済まないぞ。

それでもいいのか?」

と聞いてきた。



「もちろん、そのつもりです。

これ以上、政府の自由にさせちゃいけない!」



その言葉を聞いてトキさんも覚悟を決めたようだった。



ふぅーと体の中にある空気を吐き出し、落ち着かせてから

「みんなに頼みがある。


これから来るであろう、ケントか政府には、まだ捕まるわけにはいかない。

ただ、俺は足のケガで万全に動けない。


そこで、みんなに俺の代わりをしてもらいたい」

とトキさんは言った。



俺達はそれを聞き、顔を見合わせ

「トキさんのかわり?」

と疑問しかなかった。



俺達の中ではトキさんを逃がすことしか考えてなかった。


「なにをすれば?」



「要は俺が狙いなんだったら、小屋まで来てもらおう。

そしてここに引き付けてる間に、デジタル世界に帰って、政府のナノチップのシステムの本体を潰す!」

トキさんは自分の拳をダンっと床たたきつけた。

自分の怒り、悔しさ、もどかしさ、全てがこの拳に込められていた。


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