雨に集まる
2人から通信が入る前、誠真さんから
「大地くんと舞華ちゃんの居場所がわかった」
と連絡をもらっていた。
2人がピアス型通信機を装着し、再起動された事で場所が特定された。
空翔と一緒にその場所に急いで向かった。
誠真さんからは
「警察が必ず近くにいるはずだから気を付けて。
僕もフォローするけど、
あくまでも君達の安全を優先して!」
と言われた。
「わかりました!」
とにかく全力で走る。
何があったのか?
ちゃんと無事なのか?
気持ちばかりが焦る。
最短ルートを誠真さんが教えてくれたが、
「まだ到着しないのか?」
もどかしさが言葉となる。
30分程走ったところで、
ドォォンと大きな音と地響きが鳴り響いた。
その振動に一時足が止まる。
「びっくりしたー」
空翔が声を出す。
その音の先を見ると、白い煙が上がっていた。
「なんだあれ?」
空翔と顔を見合わせる。
嫌な予感がする。
まさに俺達が向かっている先からだった。
2人共敢えて言葉にはせず、ただ頷き、スピードを上げる。
だんだん近付いて行くと、煙が白からゆっくりと黒く変わっていっていた。
そして、この音と振動で多く人が外の様子を確かめるように、家から顔を出していた。
向かって行く先から警報音が聞こえる。
何が起こっているんだ?
そこに誠真さんから
「目的地で火災確認。
今、警察や消防が向かってる!
これ以上近付いたら危険だ!」
と連絡が入った。
「何言ってるんですか?!
目的地に大地と舞華がいるんだろ!
助けないと!」
「2人のGPSは建物内部にない。
外にいるから大丈夫だ!
これ以上近付くと見つかる可能性が高い!」
そう連絡を取り合っている時に、再び大きな音が鳴り、地震のように振動した。
その揺れに耐えられず、足が再び止まる。
さっきよりも近付いた建物から大きく上がる黒い煙。
状況が悪くなっている事は間違いなかった。
そこに、
「トキさんが大変だ!
今すぐ来て!」
大地から連絡がきた。
生きてる!
大地の声だ!
すぐに
「大地!大丈夫なのか?
舞華は?
舞華は無事か?」
と聞き返した。
「晴希!
俺も種岡も無事だ!
それより、トキさんが!
トキさんのいる建物が壊れてる!」
焦った声で大地が返答した。
それを聞き、止まっていた足が再び動き出す。
トキさんがあの中にいる!
一刻早く行かなければ!
トキさんを助けなければ!
大地から連絡をもらってから間もなくして、大地と舞華を見つけた。
「大地!舞華!」
叫ぶと同時に2人を抱きしめる。
よかった!
生きてる!
「大丈夫か?怪我は?」
「俺達は大丈夫。
それより、トキさんが」
そう言って大地は建物の方に目をやる。
建物は大きな炎と煙に包まれて、倒壊し始めていた。
窓がないから内部の様子はわからないが、ガラガラと音を立て瓦礫が次々と落ちて来る。
そして、その崩壊した隙間から呼吸をするかのように炎が飛び出してくる。
どう見ても近付ける雰囲気ではなかった。
「なんだよ、これ?
何があったんだ?」
そう大地に聞くと
「俺達もわからないんだ。
『トキさんに賢斗さんと2人で話したいから外にいてくれ』って言われたから、外で待ってたらこんな事に」
と詳しい事はわからない様子だった。
「トキさんは最後どこにいた?」
そう聞いてきたのは空翔だった。
「俺達がトキさんと別れたのは、館内の監視カメラが全部見れる警備室みたいところ」
と曖昧な答えだった。
それを聞いた空翔が、
「よし、了解!」
と建物中へ入ろうとする。
「ちょっと、待てよ空翔!
どこかわかるのか?」
ニヤっと笑い
「わかんない」
と答える空翔。
「わかんないのかよ!」
3人でツッコむ。
「でも、俺はこの中いた事があるから」
と自信満々に答える空翔。




