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雨を隠すには雨のなか

後ろから聞こえてきた音に驚き振り返ると、トキさんが拍手をしていた。



「「トキさん!」」


驚いた俺達は、思わず叫んでいた。


トキさんはゆっくり俺達に近付きながら

「まさか2人が一番に気付くとは思ってなかった。


まぁ、何にせよここじゃ目立つから隠れようか?


あと、これは預かる」


そう言って俺達の耳に装着している通信機を取った。



「え?

みんなにトキさんの居場所伝えたらダメなの?」



トキさんはニンマリと笑い

「今はまだ秘密」

そう言って、歩き出した。


今はトキさんを見失わないようについていくしかない。




「ここは?」



「ちょっとした施設。

今はここに隠れさせてもらっている」



「晴希達のところに帰りましょ!

みんな心配してます」

種岡が説得するように言う。



しかしトキさんは

「悪いな。

やらなきゃいけないことがあるんだ」



「それは政府にわざと見つかった理由?」



「あぁ、そうだ。

どうしても助けたいやつがいるんだ」



「だったら、何でわざと見つかるような真似を?

捕まったら助けることも出来ないんじゃない?」



「大丈夫。そう簡単には捕まらない。

それにこうでもしなきゃ、外に出てこないからアイツは」



「それってケントさん?」



「そう。アイツを引きずり出して説得しないと政府の好き勝手になっちまう。


この間、発光システムを変更した時にアイツのナノチップにも小細工したんだ。


俺じゃなきゃ解除出来ないから、一刻も早く俺を見つけたいだろうな。


だからアイツは必ず俺の前にやってくる」



「トキさんが指名手配みたいになってるのって、それが理由?」



「政府もケントも、俺を早く見つけたいのは確かだ。

ナノチップのシステムが使えなくなって困ってるはずだから。

これだけ派手に指名手配しておけば、誰かしら目に止まるだろうし。


ただ、俺には好都合だけどな」



「なんで?

身動き取れないじゃない!

だからこんなヘンテコな施設に隠れてるんでしょ?

何?この窓もない建物」



「ここは政府の施設なんだよ」



「え?

じゃあ、もうトキさんの居場所がバレてるってこと?」



「それはない。

むしろ、俺はこの場所が世間に知れ渡ってほしいんだ。

この施設は、政府が用意したナノチップ不具合者収監施設だからな」



その言葉を聞いて、2人して背筋に冷たいものが走った。


「収監施設って…」


それ以上は怖くて言葉に出来なかった。



トキさんは

「ナノチップの不具合者はここに集められる。

空翔もここにいたんだ。

そして、ここに来た人は抹消されるんだ」

辛そうな表情を浮かべた。



その辛そうな表情に、俺達はかける言葉が見つからなかった。



トキさんはそのまま話続けた。

「こんな場所があるなんて知らなかっただろ?

だから、世間のみんなにも知ってもらおうとここで待ってるわけ」



「ここにいたら、ケントさんを助けることが出来るの?

そもそも助けるって?」



「ケントはナノチップがないと生きていけない。

だからナノチップ装着義務化にも、反対派撲滅にも協力している。」




「私達もナノチップがないと生きていけないと信じていたけど、ケントさんもそう思い込んでいるってこと?」



「いや、そうじゃない。

ケントは病気なんだ。

病気で悪化したところを、ナノチップで補っている。

だからナノチップがないと生きていけないんだ」

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