レインコートを脱いで
ついにエピソード70まで来ました!
皆さん楽し頂けるよう、今後も頑張って行きます!
もう少し更新頻度を上げられるよう努力致します。
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時は少し戻り、
ばあちゃん家から離れ、デジタル世界で隠れるように、トキさんは政府の動きを観察していた。
そこへ誠真からメッセージが来た。
『発光候補者の会社員を追跡中の大地くん達の存在が、警察に勘付かれた。
個人番号調べられてる』
『2人が捕まったのか?』
『いや、捕まってはない。
怪しまれてる状態だ。
どうする?
2人との繋がり全て消す?』
『いや、2人のナノチップの個人番号は変えてるから、発光させられる事もないし、ひとまず様子見で。
2人には、何かあったらこちらから連絡すると伝えておいてくれ。
本人達は気付いているのか?』
『いや、まだ気付いてない』
『わかった。
あとはこっちで対応する』
そう送ると、すぐに2人の個人番号に細工をした。
今の状態では、本人は目の前いるのに、GPSには違う番号が表示されてしまう。
個人番号を変更した事がバレてしまう。
すぐに、変更前の個人番号を2人に上書きした。
これで、GPS追跡された場合、前の個人番号が表示される。
もし発光させられても、番号は変更したままだから発光することはない。
ただ、今の状況は変わらない。
無実の発光者がどんどん増えていっている。
誠真や大地くんや舞華ちゃんやばあちゃん達、関係ない人が巻き込まれてしまう。
守るにはどうしたらいい。
「くそっ。
こうなったら、隠れてるばっかじゃ意味がない、止めるしかないか!」
『誠真、発光データ全て俺に送ってくれ!
あとは全部俺がやる!』
そう誠真にメッセージを送り、データをもらうと、作業を始めた。
「ナノチップ開発者をなめんなよ。
自分で作ったシステム。
全て知り尽くしてるんだよ!」
そう言いながら躍起になっていた。
何故、関係ない人が発光しないといけないんだよ?
政府に都合が悪いってだけで、その人の人生奪う権利ないだろ?
いつまで政府の言いなりになってんだよ賢斗!
セキュリティを突破、アクセス権限を全て排除、犯罪者以外発光しないよう作り替えた。
さらに、新たな強化セキュリティを付与した。
「これでもう勝手に発光させられないだろう。
さぁ、誠真に連絡だ」
すぐにメッセージを送った。
『誠真、発光システムのアクセス権限を排除し、作り替えた。
向こうは混乱して、廣田くん達の監視どころじゃなくなってる。
2人に発光者はもう出ないと連絡してやってくれ。
心配してると思うから』
そうメッセージを送った。
すると、すぐに連絡が来た。
「やっと連絡来た!
この間、舞華ちゃんから『廣田くんが追跡されてるってメッセージが来た』って送ったのに、全く反応ないから心配したんだよ!」
夢中になりすぎて気付いてなかった。
システムの変更に10日経過していた。
「すまない。
気付いてなかった」
「いつも夢中になったら、突っ走るのやめて!
ひとまず、連絡来て安心した。
舞華ちゃんには連絡しとくから、連絡取れない間、何があったか教えて」
「発光システムのセキュリティを書き換えて、誰もアクセス出来ないようにした」
そう淡々と答えた。
「はぁ〜
トキさん、わかってる?
それって、[トキトウここにいます]って存在アピールしてるようなもんだよ?
それがどれだけ危険なことか、自分が一番わかってるでしょ?」
呆れたように誠真が言った。
「あぁ、そのためにやったんだ。
俺はここにいるって知らしめるために」
「馬鹿なの?
それがどれだけ周りに迷惑かけるって考えた?」
「今まで、隠れて止めようとやって来たけど、それじゃ守れない。
探してるのは俺だろ?
だったら、俺を追いかけてもらおうと思って。
誠真や大地くん達から、俺の存在が見つかったら、その人物にも危険が及ぶ。
だから、敢えて自らここにいるとアピールすることで、注目を集め、仲間なんかいないと思わせる。
そこで、誠真に頼みがある」
「なに?
嫌だって言っても、トキさんは自分の決めたことやり通すんでしょ?」
「ありがとう誠真。
助かるよ」
そう言って誠真に託し、俺は行動を開始した。
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一方、畑仕事の合間に、ばあちゃんや晴希は別の作業をしていた。
トキさんがここを離れる前に、
「これをみんなにお願いしたい」
と依頼されたもの。
今まで、トキさんが開発して来た道具の増産。
水中でも呼吸が出来るノーズマスクや、舞華が着用したティアラ型のナノチップ遮断装置など、他にもいろいろなものがあった。
ただ、複雑な作りをしているので、なかなか簡単に作業は進まなかった。
その中で、器用にこなしていくスミさん。
「スミさんはこういうの得意なんですか?」
と質問した。
「そういうわけじゃないけど、空翔よりは得意かな?
晴希も苦手ってわけじゃないだろ?」
作業をしながら答えるスミさん。
その手元は迷いなく動き続ける。
「これ見てそう思います?」
俺の手元は、どう進めていいかわからない状態で止まっていた。
さらに空翔に至っては、諦めて他のことをしていた。
スミさんは止まっている俺の手元を見て、
「これは、ここに繋げて、これはこう。」
と簡単にやってのけた。
「さすが!
スミさん、出来ないことなんてないでしょ?」
「そうでもないさ。
俺だって出来ないことはある。
それに、ここに来てなかったら、全部どうでもよかった。
だから、ここに来て覚えたことばかりだ」
そういえば、聞いたことなかった。
スミさんは何でここに来たんだろう?
奏さんの件で勝手に聞くなと言わてから、聞いたらダメなんだと黙っていると
「晴希には言ってなかったな。
俺がここにいる理由」
スミさんが聞いてきた。
「あ、はい。」
スミさんは少し微笑みながら
「俺はナノチップの初期不良だったんだ。
それでここにいる。」
と答えた。
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