陽射しのぬくもり
本年最後の更新となります。
来年も楽しんで頂けるよう更新していきますので、
どうぞよろしくお願い致します!
突然現れた舞華に驚いた。
なぜここにいる?
ここにいるという事はナノチップに何かしら不具合があったという事だ。
舞華も何か事件や事故にあったのか?
俺にしがみつき離そうとしない舞華。
「舞華?本当に舞華なのか?
何があった?なんでここにいる?」
とにかく何があったか確認しようと舞華に問いかける。
その質問にはトキさんが答えてくれた。
「晴希、お前に会いに来たんだよ。」
「え?」
会いに来た?
なんで?
俺は死んだ事になっていて、誰も俺が生きてるなんて思っているはずないんだ。
「私がお願いして連れて来てもらったの。」
「なんで?」
「晴希に会いたかったから。」
俺は、舞華からまともな回答返って来ない事に混乱する。
いや、ここにいるという事は、舞華のナノチップに不具合があったという事。
それに、俺が生きていると知っているという事は、連れて来たトキさんが話したという事だ。
という事は、ここの事も、ある程度話しているはず。
大丈夫なのか?
俺達の存在が見つかる前に、逃げなきゃいけないんじゃないか?
様々な事が頭の中を錯綜する。
そんな俺を見て、トキさんは
「晴希。
いろいろ聞きたい事あるだろうが、ひとまず落ち着け。
その子のナノチップに不具合はない。
頭につけてるソレのおかげで、ナノチップを無効化している。」
と言った。
確かに、舞華の頭には見たこともないティアラの様なものがつけてあった。
「晴希がこっち来る時は、ヘルメット被っただろ?
空翔にセンスがないって言われたから、女子用にティアラにしてみた。」
とトキさんが言った。
「どう?かわいいでしょ?」
舞華もまんざらでもなさそうだった。
そのティアラを見て、空翔が
「かわいいじゃん!」
と喰い付いた。
「ほんと?ありがと。」
と嬉しそうに答える舞華。
そこから、空翔と舞華がティアラで盛り上がる。
いや、そうじゃなくて、なんでここに舞華がいるか聞きたいんだ。
そう思って2人を見ていると、トキさんが
「悪いな。驚かせて。」
と俺に謝った。
「トキさん。何で舞華がここにいるんですか?」
少し怒りながら、トキさんに今の感情をぶつけた。
「彼女達にいろいろ協力してもらったんだ。
だからお返しに『晴希に会いたい。』って言うから連れて来た。」
「いや、連れて来たって簡単に言いますけど、いいんですか?
ここのみんなが見つかる可能性が高くなるんじゃないんですか?
それに、舞華はどうするんですか?
もう向こうには帰らないんですか?」
頭の中の疑問を全てトキさんに訊ねた。
「彼女は向こうに帰すよ。
晴希に会いに来ただけだからな。」
さらっと答えるトキさん。
「帰すって、ここの場所とか、俺達の事知ったのに帰すんですか?
それは大丈夫なんですか?」
「その大丈夫は、どちらを心配しての大丈夫?」
「両方です。
だってそうでしょ?
舞華が俺達の事を知ってるとバレたら、命を狙われる可能性がある。
それに俺達も居場所がバレたら、命の保証がないじゃないんですか?」
「決して、彼女が裏切るとは思わないんだな。」
「舞華が裏切る?」
「ここの情報を知って政府に売るとか?
そういう発想にはならないんだな。」
「舞華はそんな事しません。
見た通り、自分の信じた事しか信じない真っ直ぐなやつなんです。
だから、自分が得するとか自分だけ助かるとか考えるような器用なやつじゃない。」
「ははっ!」
と声を出して笑うトキさん。
「こっちは真面目に話をしてるんだ!
笑ってる場合じゃないんだ!」
とトキさんに怒る。
「あぁ、すまない。
なんだ、お互いわかってるじゃないか。
とにかく、今日は晴希に報告したい事もあって連れて来たんだ。
晴希を重罪者にした犯人がわかった。」
「犯人?
じゃああれは、ナノチップの誤作動じゃない?」
前に誠真さんに会った時に聞かれた、重罪者になる前の行動。
何故だろうと思っていたが、意図的に発光させた人物がいたという事か。
だが、心当たりがないが全くない。
「犯人の事も含めて、聞いてほしい事がある。
ひとまず、畑仕事から帰って汗もかいてるだろうから、風呂入って、ばあちゃんのご飯食べてからだ」
トキさんからは、何か覚悟を決めたような真剣な眼差しだった。




