雨が弾ける瞬間
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これからも皆さんに楽しんで頂けるよう更新していきますので、どうぞ宜しくお願いします。
ひとまず、久しぶりに晴希戻ってきます。
話題には出てきても、本人なかなか登場しなかった主人公。
忘れてません!これから活躍します。
種岡のメッセージを見せてもらった時に、ちらっと見えたメッセージには受信元がありませんと表示されており、
『今どこにいる?』
『返事ちょうだい』
『元気なの?』
など心配してる内容ばかりだった。
そして、委員会だから先に帰ってなんてメッセージを送った形跡もない。
種岡は包み隠さず、話していた。
全てをさらけ出しているんだから、今さら真っ赤になることないだろ?と思いつつ
「お前が晴希を好きなんてバレバレだからいいんじゃないの?
気付いてないの晴希だけだし。」
と言うと、更に赤くなり
「え!嘘!そうなの?
みんなにバレてたの?!」
と顔を隠す種岡。
「いや、少なくとも俺は気付いてたし、お前の友達も知ってるんじゃないの?
まさか、バレてないと思ってた?」
首を思いっ切り縦に振る種岡。
「まぁ、それより監視カメラのデータもらいに行くんだろ。
どの家に行くんだ?」
あまりにも恥ずかしそうにする種岡に、話題を変えて忘れてもらおうと話しを振ると、
「それより、晴希に送った委員会って嘘のメッセージって何?」
種岡が話題を戻してきた。
おい、話し戻すんかい。
やっぱり晴希の事となると、自分の事なんてどうでもいいんだな。
「晴希があの日『委員会があるから先に帰って』って種岡からメッセージ来たって言ってたんだ。
だから、約束しといて会いたくない理由が出来たのかと思ったんだが違うようだな。」
「約束しといて、それはないよ。」
「俺はてっきり、晴希を一人にするためにわざと送ったのかと思ったんだが、種岡の履歴見ても委員会なんて送った履歴がない。」
すかさず
「削除なんてしてないからね!」
と言う種岡。
「わかってるよ。
削除するくらい器用な人なら、毎日受信元がないメッセージも消してるだろうしな。」
「ちょっと、やめてよ!」
そう言いながら顔を真っ赤にさせた種岡が俺を叩こうとする。
それを避けるために走り出す。
種岡も必死に追いかける。
晴希がいなくなってから、久しぶりに笑った。
ーーーーー
その頃、晴希は、
トキさんからもらったコーララムネの懐かしい味に浸っていた。
懐かしいなと干渉に浸っていると
「晴希。ちょっと一緒に行かないか?」
と後ろからトキさんに声をかけられた。
いきなりだったからびっくりし、手に持っていたコーララムネを落としそうになる。
「びっくりしたー。
急に声かけないで下さいよ。」
「悪い悪い。
まさかそんなに驚くとは思ってなかった。
何か思い出してたのか?」
あまりにも的を得た質問に更に驚く。
「ま、ま、まさか。
久しぶりのコーララムネの味を噛み締めてたんですよ!」
その答えにトキさんは微笑みながら、
「お前、嘘ヘタだな。
まぁいいや。
この間約束した、向こうの仲間に会うんだが、行かないか?」
と言った。
本当に会わせてくれると思ってなかったから嬉しかった。2つ返事で
「行く!!」
と返事した。
トキさんは、ばあちゃん達にちょっと晴希と出掛けて来ると伝え、一緒に小屋を出た。
トキさんと一緒に行動するのは、発光した時以来だ。
よく考えれば、あまり二人で話した事がなかった。
今までは俺がトキさんを一方的に悪者扱いしていたし、その後はトキさんが帰って来なかったから話す機会がなかった。
こういう時って何を話せばいいんだろう?
そう思いながら、トキさんの後ろをついて行っていると、
「晴希と一緒に出掛けるの初めてだな。」
トキさんが話しかけてくれた。
「それは、おっさ…トキさんがこっちに帰って来ないからじゃないですか?」
おっさんと言いかけたのに、ちょっとムッとするトキさん。
「悪かったな。ちょっといろいろあったんだよ。
その間、晴希が頑張ってたってスミに聞いた。なかなか体力あるんだな。
高校で部活とかしてたのか?」
「中学の時はサッカー部だったけど、高校は入らなかった。」
「なんで?練習キツかったのか?」
「いや、人と争うのが向いてないと思ったんだ。
だから、高校は入らなかった。」
「なんだ?負けっぱなしだったのか?」
からかいながらトキさんがツッコんできた。
一瞬躊躇ったが
「はは。そうなんですよ。
なかなか勝てなくて。」
と返した。
俺の一瞬の変化に、トキさんは気付かぬフリして、
「そうか。
今から、デジタル世界に行くけど、向こうに着いたらちょっと歩くから、自慢の体力の見せ所だぞ?」
と言った。
「挑むとこです!」
その優しさに全力で応えようと思った。
しかし数時間後。
いや、自信満々に答えたが、実際は全く敵わなかった。
いつも通り川を泳ぎデジタル世界に到着後、結構な距離を歩いた。
畑仕事で多少体力はついたとはいえ、思った以上の距離に
「まだ着かないの?」
と弱音を吐く。
そして、ちっとも疲れを見せないトキさんに、悔しさを感じる。
「もう着くぞ。」
全く疲れてないトキさんに付いて行くのに必死だった。
人目を避けて歩くため、多少遠回りをしているんだと思ったが、それだけではなく、単純に遠い所に連れて来られた。
「ここだ。」
と言われた所は
『郵便局』と書かれた古びた看板が掲げてあった。
コンビニより少し小さいくらいのその建物は、もう使われておらず閉鎖してあり、中は真っ暗だった。
なんだ?ここ?
仲間に会うんじゃないのか?
「晴希、こっちだ。」
トキさんはそう言って、正面入口ではなく郵便局と隣の建物の横の道を通って行く。
あ、やっぱりここじゃないんだ!
そう思ってついて行く。
すると、建物の影になり人目つかない所で急に立ち止まる。
あまりにも急で、トキさんにぶつかる。
「痛って。何?急に止まって。」
そう愚痴をこぼしていると、トキさんは何もない古ぼけた壁に手を当てていた。
すると、手を当てた部分が光って、ドアが現れた。
このドアが現れる感じどこかで見た事あると思ったら、前に空翔が助けてくれた時に同じ光景を見たのを思い出した。
トキさんは、慣れた様子でそのままドアを開け中に入り、
「晴希、早く入れ。」
と茫然としている俺を中に促した。




