知らない所で雨が降っていた
いつものばあちゃん家ではないのか?
そう疑問に思いながら、車を降りて小屋の入った。
「ばあちゃん家じゃないのか?」
そうみんなに疑問を投げかける。
「まぁ、座ろうぜ。疲れてるんだし。」
空翔がそう言って俺の肩に手を回し小屋の中に入った。
小屋は、元々農作業の倉庫として使われていたようで工具などが散乱していた。
部屋の広さはばあちゃん家の半分以下。
12畳の部屋が一つと2Fに小さな物置部屋が一つ。
一人暮らし程の狭さの台所やトイレ、シャワールームのようなタイル張りの空間があった。
家から遠くに畑を構えた人が休憩場所として作った感じだった。
板張りの床にみんなで丸く囲むように座った。
ここはどこだろうか?
そんな顔をしていた俺に望月さんが口を開いた。
「これからはここで暮らす事になる。いろいろ不便があると思うが、みんなで分担して作業していこう。」
そして望月さんは俺の目をしっかりと見て続けてこう言った。
「晴希、訳がわからないと思うが、俺達はもうばあちゃんの家には帰れない。ここが新しい家だ。」
その言葉にばあちゃんと奏さんが反応する。
「今、言う事ないんじゃないかい?」
「そうよ、後でも」
「いや、後で知る方がもっと後悔すると思うから。今、事実を知っておいた方がいい。
それに、ちゃんと伝えて置かなかった責任がある。」
望月さんはばあちゃんと奏さんを制止するように言った。
そして俺の目をしっかり見て話し始めた。
「晴希、ちゃんと伝えておくべきだった。
俺達全員、ナノチップが故障あるいは搭載していないのは知っているよな?」
「あぁ、知ってる。」
「お前が戻ろうとした場所では、ナノチップに不具合が起こった人間は生きて行けないんだ。」
望月さんが言っている事がよくわからなかった。
「なぜ?こうして俺達生きてるじゃないか?向こうでだって生きて行けるさ。」
「そうだ。ナノチップがなくたって食べて寝て生存活動をしていたら生きれるんだ。人間だからな。
ただ、政府それを認めない。」
「え?何言ってるんだ?」
「晴希、お前が今まで生活してきてナノチップの不具合って聞いた事あるか?」
「いや、聞いた事ない。」
そうだ。ナノチップは不具合なんか起こらない。
向こうにいる時はそれが常識だった。
自分がこんな目に合うまでは、そう思い込んでた。
「じゃあ、俺達はなんだ?
ナノチップの機能が停止した俺や、空翔達はナノチップの不具合じゃないのか?」
確かにそうだ。ここにいるみんなはナノチップが故障している。
でも、交換や修理をすれば問題ないのではないか?
そう疑問を持っていると、望月さんは続けて言った。
「晴希が帰ろうとした場所は、ナノチップの不具合や故障が絶対にあってはならないんだ。
だから俺達は帰れない。俺達の存在が知れたら殺されるんだよ。」




