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涙という雨

俺達を乗せた車は止まることなく進んでいく。

疲れていた俺はタオルに包まれ温まったのと車の揺れの心地よさとみんながいる安心感にすぐ眠ってしまった。




いったいどれ位時間が経ったんだろう。

目を開けると揺れる車の中だった。

家に帰るまで車ならすぐのはずだ。

そんなに長い時間寝てなかったのか?


ムクリと起き上がり目をこする。

「あ、起きたか晴希」

空翔が俺が起きたのに気付いた。


「ん、いつの間にか寝てた。」

窓の外に映る景色は、薄暗くなっていた。

雨雲の暗さではなく、夕暮のように雲の隙間から所々オレンジ色が見えた。


「あれ?どこに向かってるんだ?」

ふと疑問に思い空翔に問いかけた。


「えっと、どこだっけ?」

と望月さんに質問する空翔。


「家に帰るんだよ。」

淡々と運転しながら答える望月さん。


「それより体調大丈夫かい?

ずぶ濡れだから早く温めないと風邪引いちゃうからね。」

ばあちゃんが心配そうに話しかけてきた。


「え、あ、うん…大丈夫。」

まさか体調を心配されるとは思わずに驚くと同時に目から涙が溢れ落ちる。

ポロポロと溢れ出す。

止めようと思っても止まらない。


「なんだコレ。」

手で拭っても拭っても追いつかない。



「大丈夫かい?」

ばあちゃんの温かい手が背中を擦る。

優しい声と手から伝わるぬくもりが更に涙を溢れさせる。


もうないと思っていた心休まる場所はこんな近くにあったんだ。


そう思ったら、寂しさ、不安、悲しいが流れて行き安心が押し寄せてくる。

それが涙となって止まらなかった。



「大丈夫ー?どっか痛いの?」

蓮樹が心配そうに覗きこんでくる?

そんな眼差しされたら、もう敵わない。


「だ…大丈夫。痛くないよ。…」

そう言って涙を止めるのに必死だった。




「ほら、見えて来たぞ!家に到着だ。」

望月さんが遮るように言った。


車が止まり、窓の外にあったのは見たことのないボロボロの小屋だった。

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