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質問の雨

空翔の手を掴み立ち上がる。


「じゃあ、帰るか!」

そう空翔は言うとさっきまで通話していたイヤホンのようなもののスイッチを押しライトをつけた。

薄暗い辺りが照らされる。

マンホールの中は下水道と繋っていて迷路のようになっていた。

歩く道の隣は水が流れている。


「帰るかって帰り道わかるのか?」


「当ったり前だろ!誰だと思ってんだよ。」

と自信満々に空翔は言う。

空翔だから不安なんだが…。と思ったがあえて声には出さずにいた。

一応自信満々に歩いて行くからついていくが本当に大丈夫か?



「っていうか、俺があそこにいるってなんでわかったんだよ?」


「なんだよ?質問攻めだな?」


「だってナノチップのない俺らは、GPSついてないから居場所なんてわからないはず。空翔もこの辺詳しいのか?」


「違うし。まぁ詳しい事は帰ってから。とにかく今は早く帰る事が先決。」


空翔にしては真面目な顔して話した。



しばらく歩くと行き止まりにあたった。

「空翔。行き止まりじゃないか。」

やっぱり道わかってないじゃないか。と来た道を戻ろうとすると


「ここで合ってるよ。」

空翔は壁に手のひらを当てて押し当てた。


「空翔。いくらなんでも行き止まりだぞ?

壁でも押すつもりか?」

いくら体力無限大な空翔でも壁は押せないだろ。馬鹿馬鹿しいと座り込む。


ピピッ

「認証しました」と電子音がする。


空翔の手のひらがスキャンされ、壁の一部分から縦横40センチほどの扉が現れる。


その扉を開け、中から何か取り出した。


空翔は取り出した物を俺に渡すと扉を閉めた。

扉は閉まると跡形もなく壁に消えた。


呆気を取られていると、

「時間がないんだ。急いで帰るぞ。」

と空翔に急かされる。


俺は受け取った物を確認すると、手のひらサイズに収まる程の小ささで、形はダンベルのように両サイドに小さな球体がついている。しかし重さはものすごく軽い。

なんだこれ?


「そっか!使った事ないんだよな。」

空翔は忘れてたかのように言うと、俺の手のひらにのっているそれを取り、俺の鼻に押し当てた。


「それで呼吸出来るから。じゃっ行くぞ。」

なんの説明もないところが空翔だ。


「呼吸って?何がどうなってる?」

「来た道を戻るだけ。」

そう言って空翔は俺の腕を掴み、横の水路に飛び込んだ。


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