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一粒の雨

おっさんを尾行し始めて10分位だろうか。


距離を充分にとってるおかげなのか、今の所気付かれている様子はない。


本当はもう少し近くまで詰めたい。


どこまで歩くのだろうか?

家から離れ、近くには川が流れている。

少し小高い土手になっておりその上をおっさんが歩く。

土手の下からライトの光を頼りに追いかける。そのライトが急に止まる。

ライトが消え、おっさんの姿が確認出来なくなった。

音を出さないようにおっさんがいるであろう所まで近付いた。

慎重に距離を詰めたせいか、人影はどこにもなくなっていた。

隠れる場所もないここで姿が消えるということは、この近くに出入口があるはず。



次の日。

畑作業中に空翔に時任さんの話を振ってみた。

「時任さんって普段何してんの?」


「トキさんは忙しいんだ!」


そうじゃない。

聞く相手を間違えた。


もういい。他の人に聞こう。

話を続けるのもバカバカしくなり返事をしないでいると空翔が話し始めた。


「トキさんは向こうに行って、俺達の為に頑張ってくれてるんだ!

だから俺達はいつ帰って来ても大丈夫なようにご飯をいつも用意してる。

この畑だって、最初は全部トキさん一人で耕して作ったんだ。」


なんだ辛い仕事は人に任せっきりって事か。

そんな人を何故みんな信じるんだ?


「俺達がご飯食べれるのだってトキさんのおかげだし、こうやって生活出来るの有り難いよなー。

向こうに行き来するのだって一苦労なのに、行ってるんだぜ。」


そう!それが聞きたいんだ!


「向こうに行くの一苦労なのか?」

悟られないよう、焦らず聞いてみた。


「覚えてないのか?

晴希だってあの川渡って来たんだろ?

あの匂いと流れの速さに耐えるのはなかなか辛いだろ。」


そうか、俺が溺れたあの川が向こうと繋がっているのか!

だから昨日おっさんを見失ったのが川の近くだったのか!


そこから空翔の話は全く頭に入って来なかった。

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