雨雲に隠された太陽
更新遅くなりました!
クライマックスが近いですが、皆様に楽しんで頂けるよう頑張って参ります。
警備ロボットが呼んだ仲間のロボットが数体来た。
もう万事休すだ。
警備ロボットに抑え込まれ、身動きが取れなかった。
すると、ロボット同士で通信をし、何かが決まったようだった。
俺は1体の警備ロボットにしっかり後ろ手で抑えられたまま、歩くよう促された。
犯罪者扱いのため、力加減は容赦なく、傷口にひびく。
しかし、向こうにとっては痛みで動けないのは好都合だろう。血がポタポタと落ちようと関係なかった。
痛みと悔しさに耐えながら、連行された。
どこへ連れて行かれるのだろう?
隙を見て逃げようと、狙っているが、さすが警備ロボット隙がない。
すると、警備ロボットが
「あまり動くな。怪我が悪化する」
と小声で忠告してきた。
ん?おかしい。警備ロボットが捕まえた人の心配をするはずがない。そう思い、警備ロボットの顔を見る。
「あまり大きなリアクションをとらないでくれ。バレるだろう、晴希。前を向いて捕まってるフリだ」
と小声で返ってきた。
警備ロボットのデジタル音声だったが、明らかに知っている人だった。
「まさか、誠真さん?」
「だから、声を出さないでくれ。
いいか、このまま話を聞くんだ。
トキさんがまだここで働いていた時、数体のロボットに、遠隔システムを仕込んでいたんだ。
それを利用してる。
今、この建物内のロボット全てに侵入者を捕まえるよう指示出ている。
ロボットに侵入者の顔データが共有され、見つけたらすぐに捕らえるようにプログラムされている。更に、君達の通信機も使えないよう特殊な電波に邪魔されている。
ひとまず、晴希をこのまま連行していると見せかけて、システム中心部まで連れて行く。
あとは、システムを破壊してくれ」
「わかった。
みんなは?みんな無事なのか?」
「今のところ捕まってはいない。
こちらが遠隔操作出来るロボットの数も少ないから見つけられてないが、見つけ次第、確保するつもりだ」
「了解」
それを聞き、少し安心した。
「それより、もう少し手を緩めてくれない?傷にひびくんだけど」
「すまないが、少し我慢してくれ。
いくら操作出来るとはいえ、警備ロボットの力加減までは厳しいんだ」
「わかった」
警備ロボットに捕まったまま、進んでいると他のロボット出会っても襲ってこなかった。
『只今連行中』と周囲のロボットに共有しているんだと誠真さんは教えてくれた。
最初からこれで行けばよかったんじゃないのか?とも思ったが、
『トキさんが仕込んだ遠隔システムが生きてるかもわからなかったし、相手にハッキングしているとバレたら終わりだ。こっちも必死なんだ』
と怒られた。
そんな会話をしながら進んでいると、ある扉の前で止まった。
「ここだ。この向こうがシステム中心部だ」
そう言って、警備ロボットはその扉を開けた。
すると、その先は何もない部屋だった。
「ここが、中心部?」
そう疑問思っていると、警備ロボットの動きが止まり
「晴希!逃げろ!
これは罠だ!」
と言い出した。
そこから、警備ロボットの声が途絶えた。
「どうしたんですか?
誠真さん!誠真さん!」
警備ロボットに話しかけるが反応がない。
「残念だが、彼は今自宅で確保されているよ」
と声が聞こえてきた。
この声は聞き覚えがある。
さっき、俺を閉じ込めた人物だ。
そう思い、ゆっくり振り返るとそこには男性のホログラムが立っていた。
「おかげ様で、君達の仲間をやっと捕まえられたよ。
彼が一番厄介だったんだ。
システムに潜入するし、遠隔操作はするし、勝手にデータ書き換えるし、邪魔なのに姿を表さない。本当に困っていたんだ。
彼もこれだけの技術を持ってるんだ。こちらに協力してくれたら、いい戦力になったのに、なぜトキトウの仲間になんかなったんだろうね?
晴希くん、君のおかげだ。ありがとう。
これで君達はデータ操作出来ないわけだ。
さぁ、どうする?その怪我で立ち向かってこれるのかな?」
俺を嘲笑うかのように、見下された眼差し。
心の底から込み上げて来るドス黒い感情抑えきれなかった。




