先の見えないどしゃ降り
全員がホログラムの悪夢から抜け出した頃、監視していたケントは
バン!
机を思いっきり叩いた。
「何なんだこいつらは」
ケントは苛立ちを抑えきれなかった。
心理的に追い込み、弱くなったところでトキトウのことを聞き出すはずだった。
しかも、堅元に関しては自ら
「日高に会わせてくれ。確実に聞き出す」
と言っていた。
なのに、聞き出すどころか、消そうとしていたじゃないか。
これだから、自分勝手な坊ちゃんは嫌なんだ。
誰ひとり、思い通りにならないことに苛立ちを覚え
「人は信用ならない」
そう言うと、社内にいるロボットを全て起動させ、侵入者を全て捕らえろという指示を出した。
なんとしても、トキトウを引きずり出してやる!
警備ロボ、作業ロボ、清掃ロボ、看護ロボ、様々なロボットが一斉に動き出し、建物内に張り巡らせるよう巡回した。
晴希達の顔はロボット達にデータ共有され、認識すると捕獲するようプログラムされた。
これで逃げ場はないはずだ。
ーーー
晴希は部屋から出たあと、走り回っていた。
通信機は相変わらず応答がない。
たぶんこれは通信出来ないよう、邪魔されているんだろう。
ひとまず、真っ直ぐ進もう。
この建物の中心部に行って、システムを止められたらいいんだ。
建物内を走っていると、さっきまでいなかったロボットに遭遇した。
しかも、数が半端ない。
警備ロボットだけ避けて行こうと思っていたが、様々なロボットが俺を発見するなり追いかけてくる。
来た道を引き返すとそこに別のロボットがいて追いかけてくる。
どこへ行っても、ロボットだらけで逃げる場所がなくなってくる。
そうやって逃げ回るうちに、だんだん中心部から遠ざけられている気もする。
捕まるわけにはいかない。
しかも、走り回っていると、体力ばかり消耗して、相手の思うツボだ。
もうこれは、戦うしかないか。
しかし、相手はロボット。警備ロボットは速くて頑丈だから無理だが、他のロボットならまだ逃げ切れるかもしれない。
しかし、武器も何もない俺には不利だ。
まぁ、武器があっても使いこなせなきゃ意味がないんだが。
かといって、大人しく捕まったら、消されるんだろうな。
警備ロボットがいない隙に、イチかバチか正面突破してみるか。
そう覚悟を決め、警備ロボットがいない方へ走って行った。
行く先には清掃ロボット一体しかいない。
これはチャンスだ!
清掃ロボットに向かって突進していく。
ロボットは急に距離を詰めてくる俺を両手を広げ捕まえようとする。
俺は、その腕を思いっきり蹴り飛ばした。
すると、片方の腕が付け根から折れ、外れた。
「案外簡単に壊れるんだ」
そう思い、ロボットの方を見ると、腕が折れたことにより、『故障、故障』と連呼し始めた。
「ごめんな。今は捕まるわけにはいかないんだ」
そう言って、その場から逃げた。
清掃ロボットなら、この方法で行ける!
対処方法がわかっただけで、だいぶ進みやすくなった。
それからは、先にどのロボットがいるか確認して進むようにした。
警備ロボットや2、3体ロボットが集まっているところは避けて進むようにした。
しかし、突破は出来るが中心部には近付いている感じではなかった。
やはり重要なところには警備ロボットがいるってことだろう。
でも、逆に言えば、警備ロボットをどうにか出来れば、中心部に到着出来るってことか。
清掃ロボットを倒しながら、得た武器は頑丈な箒一本。
腕を怪我している俺には、これがあるだけでもありがたい。
警備ロボット相手に、どこまで戦えるかわからないが行くしかない。
この曲がり角の先に警備ロボットがいる。しかも一体だ。
これで突破出来なければ、中心部には進めない。
その警備ロボットの方へ向かう。
ギリギリまで気付かれないように距離を詰める。
しかし、あと5メートルというところで警備ロボットに気付かれた。
『発見!発見!』
と仲間へ連絡しているようだった。
これ以上増えられたら余計厄介だ。
早いうちにこの警備ロボットをどうかしないといけない。
無理わかっているが、箒一本で警備ロボットに向かって行く。
警備ロボットの顔に向かって箒を思いっきり降り下ろす。
しかし、ビクともしない。
むしろ、俺の腕の方が痺れてきた。
やはり、警備ロボットは頑丈だ。
顔がダメならと、腕、足など様々な場所を攻撃してみるが、どこも同じだった。
そうしてる間にも、他のロボットが来る。
早くしないと。
何度も攻撃しているうちに、箒の方が折れた。
こうなったら、体当たりしかない。
「うぉぉぉぉぉ」
と警備ロボットに立ち向かっていった。
だが、敵うはずなく、虚しく弾き飛ばされる。
そして、倒れたところを警備ロボットに捕まった。
更に警備ロボットが呼んだ、他のロボットも到着した。




