雨が溜まり、想い溢れる
小さいころから、晴希はいつも隣いた。
だから、どんな晴希も知っていた。
かけっこで転んだ晴希。
初めてサッカーを知った晴希。
私をおいて先に登校してしまい、申し訳無さそうにする晴希。
私が誰かと話していると遠慮して話しかけてこない晴希。
サッカーをやっている時に一番輝いた笑顔を見せる晴希。
親友の廣田くんと話している時、すごく楽しそうな晴希。
だから、晴希が発光したと聞いた時は信じられなかった。しかも、川に飛び込んで自殺。
そんなことするような人じゃない。
いかに相手のことを考えて動く人が、重罪なんて絶対にしない!
でも、誰も晴希のことを信じようとはしなかった。
ニュースや噂で聞いた情報ばかり信じて、私の話に聞く耳なんて持たなかった。
晴希のことを一切知らない人の言うことは信じるのに、晴希をずっと見てきた私の言う言葉は『可哀想』のひとことで流された。
あの時、晴希は私を孤独な状況から助けてくれたのに、私は一切助けられない。
どんなに好きでも、あなたを救えない。
しかも、私が原因で発光していた。
悔しかった。
助けるどころか、あなたを追い詰めていたのは私だった。
あぁ、私はあなたを好きでいることさえ出来ないの?
一緒にいて、話して、笑って、未来を歩んで行きたいだけなのに。
涙が止まらなかった。
その涙がいっぱいになって、沈んでいくような感覚だった。
『舞華なら出来るさ』
晴希の声が聞こえた。
そうだ、晴希が励ましてくれたんだ!
私なら出来るって。
今回も、廣田くんの協力とトキさんに助けられて晴希に会うことが出来た。
太陽のように眩しい光が、顔に当たる。
目を覚ますと、水中だった。
驚き、慌てて光の指す方へ泳いでいく。
水面から顔をだし、息をする。
「びっくりしたー。
危なく溺れ死ぬとこだったじゃない」
部屋中に水が溜まり、溺死するところだった。太陽の光と思っていたのは、ライトだったが
「これおかげで水面に出られた」
晴希が導いてくれたような気がしていた。
水面がだいぶ上の方まで来ており、天井の通気口からこの部屋を脱出した。
迷っている暇なんかないんだ。
私は晴希が好きだ。
その気持ちは変わらない。
だから、少しでも晴希の力になるんだ。
隣を歩いてたいんだ!




