降水確率10%の望み
帰れる!
俺の居場所はここじゃない!
おっさんのあとをつけたら向こうに行ける!
そうわかったら、行動するのみだ。
ただ、おっさんは警戒心が強い。
尾行したって見抜かれる。
おっさんが帰ってくる度に少しずつ尾行の距離を伸ばす事にした。
ひとまず今日、どこまでついて行けるかだ。
おっさんの警戒度を知っておく必要がある。
ご飯の後、みんなとひとしきり話をし、寝静まる頃におっさんは家を出て行った。
家の周辺は隠れる場所がない。
だからおっさんがどの方向に歩いて行くかを確認した。こんな夜中だ。ライトを点けずに行くはずはない。何もないここではそのライトが目印になる。多少離れていても光を頼りに行けばいい。
光を確認出来るギリギリのラインで家を出た。
みんなが起きないようそっと玄関の扉を締める。
まずはおっさんとの距離を少し縮める為に小走りで追いかける。
近くで走ると足音で気付かれる。
おっさんとの距離はある程度保ちたい。
慎重、しかし急ぎつつ進む。
普段は家と畑の往復だけだが、畑の反対方向に進んでいる。
こっちには来た事がない。
月の光が淡く辺りを照らしてくれる。
月と星の光以外はおっさんのライトの光だけ。
人工の光はこんなにも目立つのか。
柔らかい光の中に、一本針を指すように煌々と突き刺さる光は見つけやすかった。
100メートル位まで近付いた所で、足音と呼吸音を殺すようにし、尾行を始めた。




