第61話 淀川慎吾 Ⅰ
ここからLINEをもじったチャット部分になります。
LIGNEはフランス語で「線」を意味するそうです。
ノリが会話文になってますが、そこは一つそういうもんだということで。
14:08 慎吾【お疲れ。入学式どうだった】
20:17 光人【ごめん、スマホ見てなかった。入学式で倒れて、お袋の診療所行ってた。】
20:35 慎吾【大丈夫か?】
20:36 光人【ただの寝不足らしい。疲労ってとこ】
20:37 慎吾【高校は大丈夫そうか?西村がいるから問題ないと思うけど】
20:45 光人【大江戸がいた。今のところは大丈夫】
20:45 慎吾【マジか?】
20:46 光人【まだ会ってない。まあ、何とかするよ】
20:50 慎吾【何かあったら言ってくれ、出来ることはするよ】
20:51 光人【サンキュ!よろしく】
20:54 慎吾【それより、朝、虹心を避けただろう?】
20:55 慎吾【どういうこった?】
21:01 光人【悪い。気まずい】
21:01 慎吾【なして?】
21:04 光人【個人的に知らないから】
21:04 光人【陰キャの俺と顔合わせても、彼女も困るだろう?】
21:05 慎吾【まったく。今度ちゃんと紹介するよ】
21:06 慎吾【光人がいい奴だってことは、虹心にも伝えてあるからさ】
21:08 光人【了解。じゃ、日を改めてな。都合のいい日をピックアップしてくれ】
21:10 慎吾【わかった。じゃ、なんかあったらよろしく!おやすみ】
21:11 光人【おやすみ】
朝の通学時に慎吾の彼女である榎並虹心が慎吾の家、つまりうちの隣に来るのが見えた。このまま駅に向かえば、否応なく顔を合わせることになる。
榎並は慎吾が中学時代のサッカー部でマネージャーをしていて、モテる慎吾の心を射止めた女子だ。卒業式に慎吾に告白したと聞いている。
ただ、俺はこの榎並虹心という女子と面識がない。
出会ったとして、正直どういう態度で接していいかわからない。
ということで、少し遠回りになるが、すぐ近くにある路地に曲がって、別の道に逃げた。
榎並にしても事情は同じだと考えていたんだが…。顔を合わせても、中学時代、陰キャで通した俺とすれ違った時のリアクションは取りづらいに違いない。そう考えての行動だったんだが。
密告された。
淀川慎吾君については幼馴染ということで名前だけ出てきた人物ですが、このチャットの分だけで説明がつらくなったので、形式無視で注釈入れました。
このシーンは当初、1話分の長さで書いたのですが、長すぎると考えて完全削除しました。
その後の長さ考えるとあまり意味がなかったかも…。




