Battle of countries始動
「本日、NAKAの新作ソフト VRMMO SPY SQUARE の発売日です! 抽選会をしますのでこちらまできてください!」
今日は前から気になっていた新作のVRMMOの『Battle of countries』、略してBOCの発売日だ。僕、長上 誠はそれを求めて近場のゲームショップに並んでいる。
そうしてるうちに抽選会が始まった。
内心当たるわけがないと思いつつも、当たれと心の中で願っていた。
「え……? 当たった……!?」
「ご当選おめでとうございます! こちらが商品でございます!」
僕は代金を支払って商品を受け取り、店を後にした。
帰宅後-
僕は早速ソフトの袋を開け、ゲーム機に繋げた。さて、のんびりと始めるとするか。
『ニックネームを決めてください』
「ニックネームかぁ、ながちゃんでいいかな」
『役職をお選びください。』
「んー、色んな役職があるけど、やっぱり今回の目玉の《スパイ》にしてみようかな」
その後、キャラデザインや細かい設定をし、ゲームが始まる。
「んー、なんて綺麗なグラフックなんだ。そうだ、早速スキルとかを見て行こうかな……」
役職:スパイ lv1
STR:10 CON:10 POW10 DEX:20 MP10
HP13
スキル:【変装 Lv1】
【隠れる Lv1】
【隠密 Lv1】
【消音 Lv1】
【格闘術 Lv1】
SP:0 称号:始めたての冒険者
「なるほど、スパイだからか分からないけど、すばやさがあるなぁ」
〜草原に転送〜
などと思いつつ、近くにある掲示板で僕はチュートリアルを始めることにした。
『ようこそ! チュートリアルへ。まずは近くにあるカカシを攻撃してみよう!』
遠くに移動はしなくてよかった。どうやら全力でカカシに向かって攻撃をするらしい。
「《格闘術 回し蹴り》」
攻撃をした瞬間、足からカカシの頭部ら辺に向かって蹴りが繰り出される。
蹴りが当たったカカシは、勢い良くへし折れたかと思うと、この場から消え去っていった。
チュートリアルが終わると、いきなり脳裏に女性らしき者の声が聞こえてくる。
『これでチュートリアルが終わりましたので、スパイ施設の場所に転送します』
視界が真っ白に染まってしばらくすると、真っ白な天井が見える。
周りには自分以外の姿が見えないことから、スパイは人気がないことが分かり、僕は扉から外に出ることにした。
近くにはパーティ募集掲示板が見える。
そしてまた僕は思った。
「そろそろ、パーティを組みたいな……。けどスパイってどういう役割があるのだろうか……」
その疑問を持ちつつ、パーティ募集をしている掲示板に向かう。しかし次の瞬間、背後から物音を感じると同時に、目の前が真っ暗になり意識は途絶えた。