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転生しました。#アンガー家頭首:エイデン視点

 



 セバスから報告を受けて私は舞い上がった。

「おお、遂に生まれたか!!」


「ええ、少し難産気味でしたが無事生まれました。」


「性別は?」


「男の子だそうです。」


 かなりの早足で歩いているのにセバスはしっかりついてきている。さすがだ。


「マリーナ!!」

 私は妻の名前を叫びながら部屋のドアを勢いよく開けた。滅多にしない行為にメイドたちが目を丸くしているが気にしない。セバスのあきれたようなため息も気にしない!


「あらあら、エイデンったら。メイドたちがビックリしてるわよ。」


「そんなこと気にしないさ。それより私たちの新しい天使はどこだい?」


「そんなに焦らなくっても窓際のベッドにいるわよ。」


 子を産んだばかりばかりだと言うのに...女性は強いな...


 窓際のベッドに目をやると私たちの天使がいた。かわいい...長男や長女ももちろんかわいいがこの子は輪をかけてかわいい...これが末っ子効果か...

 私がおののいていると


「ねえ、エイデン。この子の名前はどうしようかしら。」



 妻の言葉で我に返る



「ああ、そうだな......」



 長男の名前は私たち夫婦の名前から一字ずつとって、エリックと名付けた。この子の名前はどうしよう...



「リーンは女の子っぽいし、デリーもなんか変だし...」


「そうねぇ、ナデルもなにか違う気がするのよね」


「ディーンは私の名前しか入ってないし...」


「あら!ディーン!いいじゃない!!」


「でも、君の名前が入っていないじゃないか。」


「ちゃんと入っているじゃない。ディーンとマリーナ、ほらちゃんと入っているでしょう?」


「ほんとだ!それじゃあこの子の名前はディーンにしよう。そしたらアンナ、エリックを呼んできてくれるか?」



 次男の名前が決まったところで近くにいたメイドに長男を呼ぶように言いつけた。


 ***


「ほらエリック、君の弟のディーンだ。ご挨拶してごらん」



 私はメイドが連れてきた長男に声をかける。




「は、はじめまして!アンガー・エリックと申します」



 メイドたちだけでなくセバスも笑っていた。



「セバス!!おまえ、笑えたのか!」


「失礼ですな、これでもちゃんとした人間ですぞ」



 私とセバスのやりとりを見てメイドたちと妻が笑い転げた。エリックは何がおかしいのか理解できないでいるし、ディーンはぐずり出すしでゴタゴタな顔合わせとなった。


 ***


 メイドたちやマリーナの話ではディーンはあまり手がかからないらしい。なんでも夜泣きは殆ど無いし、ベットの中から抜け出そうともしないらしい。



「エリック様の時とは比べものにならないほど楽でございます。」

 とはメイド長の弁だ。



 最初は何かの病気かと思ったらしいが、お腹が減った時やおしめを濡らした時など必要な時はしっかりと泣くし、母乳もしっかり、沢山飲んでいるらしい。



 次にあんまりにも大人しいのでどうしたのかと思ったら大体寝ているらしい。大体と言ったのは寝ていないときはメイドたちやマリーナに世話をされているかあやされているか、魔力を放出しているらしい。それも意図的に。この歳で魔力を意図的に放出することは大変珍しい。



 これは将来有望だなとセバスに言ったら大変あきれられた。


 ***


 ディーンが三歳になった。今日は鑑定の儀が行われる。私たちには生まれて3年すると神から先天スキルとステータスを授けられる。



 この先天スキルには極、究、絶、大、中、小、微の7段階あり、数と種類は各々違う。ただ、親が魔法系の先天スキルを授かっていると子供も魔法系の先天スキルを授かることが多いといった具合に、先天スキルは遺伝しやすいと言われている。



 ステータスとは各々が持つ可能性を標すものだ。中にはステータスこそ至高と言う者もいるが私に言わせれば間違っている。それにそのステータスは鑑定したときのステータスであり、鍛錬や経験を積むことで成長していく。この成長には文字通り限界がない。努力を続ければその分伸び続けるのだ。逆に高いステータスにかまけて努力を止めた者ほど弱い者はいない。



 この先天スキル鑑定の儀は各々鑑定スキル持ちに依頼して個別にやるのが普通である。幸い、我が家は子爵家なので金には困っていない。それに、我がアンガー家にはセバスがいる。セバスは最高位の鑑定の先天スキルを持っており、若い頃はそれでかなり儲けていたと聞いた。



 私とマリーナはともに魔力増大系先天スキルと魔力節約系先天スキルを持っている。それにディーンは幼い頃から魔力を放出している。だからもしかしたら魔力放出強化系先天スキルを持っているかもしれない。

 先天スキルが全てとは言わないがやはり先天スキルは多い方がいい。先天スキルには装備数の制限がないが、スキルには10個という装備制限がある。それに先天スキルが多い方が将来の可能性が広くなるのは確かだ。子を持つ親としては多くあってくれと願うのが普通であろう。




 さて、我が息子、ディーンはどんな先天スキルを持っているのかな?


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